燃料電池って何?
こんにちは、河村隆一です。
昨年末、水素で走る燃料電池車(FCV)が世界で初めて一般向けに販売されました。トヨタ自動車の「MIRAI(ミライ)」。世間の注目度も高く、当初の生産台数を大きく上回る注文が寄せられたと各所で報じられました。
今回はその「燃料電池」を取り上げましょう。
名前は電池ですが、機能からみれば発電装置というほうがわかりやすいかもしれません。燃料の水素と空気中にある酸素を化学反応させて、そこから生じる電気を取り出す装置です。
自動車では、発生させた電気によってモーターを回し動力源にします。化学反応で排出されるのは水だけで、温室効果ガスは出ません。
燃料電池の仕組みを簡単に表せば「水素+酸素 → 電気+水」となります。これは中学校の理科で習った水の電気分解を逆にしたものなんです。実験で電気を通りやすくした水溶液を使い、試験管に入れたプラスとマイナスの各電極から酸素と水素の泡が出てくる様子を覚えている人も多いでしょう。あれは「水+電気 → 水素+酸素」という反応だったので、まさに逆の現象です。
この原理は約200年前の19世紀初頭に発見され、その後、燃料電池はアポロ宇宙船にも搭載されました。日本でも今、官民一体で「水素社会の実現」に向けた活動が進められています。