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日本テクノが考える「省エネ活動」、「電気設備の安全・安心」、「電力小売」など切り口にした解説や、「環境」に対する思い、「お客様」との協業などを紹介。

戻る道は選ばない進むことで
環境問題を克服してゆく

 人類の発展は地球上のさまざまなものへ影響を及ぼしている。
 各地で観測史上最高の雨量や酷暑が襲った今夏の日本列島。この要因の一つに地球温暖化があげられている。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は温暖化の原因は人間の活動であるとほぼ断定した。ニホンウナギは絶滅危惧種に指定された。本来生存しない地域に外来種が繁殖するなど生態系への影響も、多くは人間の活動によるものだ。軽井沢のホタルは現地のものではなく、関西地方のものといわれる。この原因は定かではないが、人間活動の影響はゼロではないだろう。生態系の調和を乱す引き金には、人為起源とされた地球温暖化も含まれるのだから。
 環境への負荷を強いてきた人類はその発展を止め、自然から与えられるものだけで暮らす狩猟採集社会に戻るべきなのか。当社はそうは考えない。発展し続けることが、進み続けることが、環境問題を克服する道と確信している。二酸化炭素(CO2)排出削減という温暖化対策はまさにその進み続ける行為の一つであろう。
 とはいえ、そうした対策も一筋縄ではいかないのも事実。東日本大震災以降の日本では温暖化対策の議論がほぼなくなった。目の前の電力不足に対し、原子力発電に代わり、CO2排出量の多い火力発電に頼らざるを得なくなったからだ。産業界や家庭での省エネは浸透しているため、エネルギー使用は減っているが、発電時の排出量が増加しているのである。
 そんな状況下、今できる対策は大きく2つある。一つはCO2排出量の少ないエネルギー源を増やすこと。もう一つはエネルギー消費をさらに減らすこと。
 前者は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに期待がかかる。発電時のCO2排出量はゼロだ。2年前にスタートした「固定価格買い取り制度」で設備は急増。自然変動電源のため、安定電源とはいえないが2014年4月末時点で原子力発電所約10基分に相当する977万㌔㍗の設備が導入された。ただ一方で、この制度による需要家負担は年々増加しており、一般家庭では月額200円を超えている。家庭の何倍も電気を使う企業から不満が出始めてもおかしくはない状況だ。買取価格は毎年下がってはいるが、設備認定の時期で価格は決定し、20年間保証されるという現行制度においては、負担が解消されるのはまだ先のことである。
 負担増という側面はあるものの、太陽光発電や風力発電のコストダウンは確実に進み、拡大への追い風になっている。さらに送配電網の強化や今後の電力システム改革による送配電網の広域運用が実現すれば、自然変動の吸収も可能になるといわれる。知恵と技術力を集結することで、再生可能エネルギーの欠点とされる部分も解消されていくだろう。
 そしてもう一つの今できる対策が、エネルギー消費のさらなる削減だ。すぐに我々ができること。省エネ活動である。ただし、我慢の節電ではない。賢い省エネの実行だ。まずは「見える化」から始め、「理解(わか)る化」し、定着するまでPDCAを回す。この基本をしっかりと進めることが何よりも大切と考える。さらにエネルギーだけではなく、資源の無駄使いをなくすことも重要。リサイクルやリユースなどもちょっとした気づきから行動をとれば、やがて習慣になる。
 人類の発展は地球上のさまざまなものに影響を与えてきた。ならばその発展の方向を環境保全に向ければ、豊かな地球環境をつくり出すという影響も与えられるだろう。戻すのではなく進むことで進化する。それが人類である。

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