eco news アイコン
Eco News Web Magazine
ホーム > 環境市場新聞 > Techno's Thinking
日本テクノが考える「省エネ活動」、「電気設備の安全・安心」、「電力小売」など切り口にした解説や、「環境」に対する思い、「お客様」との協業などを紹介。

売上・生産量の増加でも電力消費量削減を
導いたBEMSアグリゲータ事業

アンダーバー

 2012年4月に経済産業省による2011年度「エネルギー管理システム導入促進事業費補助金」制度のアグリゲータとして、日本テクノが採択されたことは本紙2012年夏季号(第29号)でも紹介した。この事業の目的は、中小ビルなどの高圧小口の電力需要家におけるBEMS(ビルエネルギー管理システム)の導入を促進し、エネルギー使用の効率化および電力需要の抑制を図ることで無理のない節電を進め、電力消費量の削減を目指すものである。
 活動期間は2015年3月31日までで、アグリゲータには削減率の報告が義務づけられている。当社の実績は1152件で契約電力の合計は19万1008㌔㍗だった。2015年1月、この報告がほぼ完了(新築56件、未集計9件を除く)した。今回はその結果を報告しよう。
 まず当初掲げたトータルの目標は年間の電力使用量10%削減であった。それに対する実績は、5.0%の削減。目標に届かなかった主な原因は、半数以上の事業場で、売上や生産量の増加といった省エネ活動以外のはっきりした「増加要因」があったことだ。
 増加要因には、売上や生産量のほかに負荷設備や来客数の増加、営業時間の延長などがある。これが報告義務のある1096件のうち567件にのぼった。ただし増加要因のある567件全体の電力使用量は2.0%と微増にとどまり、売上や生産量が増加したにもかかわらず、成果を上げていることがわかる。
 その内訳は、売上もしくは生産量が1割増加した事業場は139件で電力使用量は0.8%減、2割増は44件で2.1%増、3割増は14件で13.2%増、その他370件だった。
 また、これを業種別にみると、倉庫業、工場、教育・福祉施設、病院などが電力使用の増加傾向にあり、事務所、温浴施設、スポーツ施設、宿泊・飲食業などでは1.4~5.0%の削減ができていた。これは、売上や利用者の増加が直接的に電気設備の稼働を増やすことにつながる業種と、その影響をスタッフの省エネ活動によって抑えられる業種の違いだといえる。温浴施設やスポーツ施設、宿泊業などは、利用客エリアと従業員エリアとが明確に区分され、その従業員エリアでの省エネ活動が効果を上げているのである。
 一方、売上増などの増加要因がなかった事業場は529件あった。ここでの削減率は目標を上回る13.2%となっており、確実な削減効果が出ていた。
 削減効果を出す計画は、当社スタッフが定期訪問を行い、ユーザーとともに適切な省エネ活動を考えることで導き出される。そしてそれを実行するのはユーザー自身だ。当社のシステムは自動制御を組み込んでいながらも、「人」の「意識改革」に重きを置き、「行動」が伴わなくては効果は発揮できない。だがその「意識改革」を全従業員が遂げた事業場では、電力消費量の削減だけにとどまらない波及効果があることも実証されている。
 ある事業場では水道料金が目に見えて安くなった。作業を効率的にするようになり残業代が削減されていったユーザーもある。省エネ活動が組織に一体感を生み団結力が強まったという企業もあった。
 今回の経産省の事業により全体で6471件の事業場にBEMSが導入されている。2015年4月にはほかのアグリゲータも含めすべての報告が終了する予定だ。この結果報告がどのようになるか注目したい。

コラムの関連記事
  • 日本の環境教育
  • All for JAPAN
  • Eco Story
  • 環境モデル都市探訪
アドレス