ニッポン 環境都市探訪 Mobile

香川県高松市

香川県高松市

自転車が活きる サイクルエコシティ

市内にある特別名勝・
栗林公園は人気の観光地

香川県の中央に位置する県庁所在地、高松市。江戸時代には、高松藩の城下町として栄え、現在では、四国の経済を担う中心地として日々成長を続けている。幾度かの合併を経て、現在の人口は約42万人。香川県の人口約100万人のほぼ半数を占めている。
瀬戸内海に面する高松市は、1年を通して温暖で、雨が少ない。そして、平地が多い地形であることから、交通手段としての自転車利用が活発であった。そこで高松市では、環境にやさしくクリーンな乗り物である、自転車を中心に据えた都市づくり「サイクルエコシティ」さらには、環境負荷の少ない公共交通を中心とし、都市機能を各拠点に集約する「コンパクトエコシティ」の実現に向け、動き出した。

サイクルエコシティを目指して

自転車専用道の整備が進む

2008年11月、高松市は「高松地区における自転車を利用した都市づくり計画」を策定した。これは、自転車利用の環境づくりを推進するためのもので、国の関係機関をはじめ、香川県や県警察本部などからなる「自転車を利用した香川の新しい都市づくりを進める協議会高松地区委員会」が計画の策定、推進を行っている。
先述の通り、市民の自転車利用は活発で、通勤通学時における自転車利用は、通勤通学者全体の約27%で、全国平均の約2倍となっている。そのような背景を踏まえて、「人と自転車が笑顔で行き交うサイクル・エコシティ高松」を目標に、都市づくりの方向性を定めた。計画は3つの柱からなり、その一つが「快適な自転車利用のための環境整備」である。市内を快適に走行できるよう、自転車専用道の整備を進めており、例えば市内中心部を貫く中央通りでは、約3kmにわたり自転車専用道が確保されている。その他、中心部では多くの道路で、自転車が走行できる歩道が整備されている。
2つ目の柱が「自転車利用ルールの遵守・マナーの向上」。高松市は、多くの自転車利用者がいる一方で、事故件数の増加も深刻な問題となっている。これまで、普通自転車の歩道通行可能要件の明確化を示した「自転車関係法」の改正や、走行中の携帯電話、傘差し、ヘッドホンの使用を禁止した「公安委員会規則」の改正などの対策を打ってきた。また、小学生を対象とした自転車免許交付事業や、街頭指導なども行い、改善に努めている。

市役所に隣接する
レンタサイクルポート

そして、3つ目の柱となるのが、「自転車利用のさらなる促進」である。その代表的な事例が放置自転車を活用したレンタサイクル事業の実施である。
この事業は、駅周辺で深刻化していた放置自転車を、利便性の高い移動手段として蘇らせたもので、利用料金は、100円~と気軽に利用することが出来る。レンタサイクルポートは市内7カ所にあり、レンタサイクル台数は約1,250台。元々は放置自転車のため、形は不揃いだが、サイズは2種類に統一されている。2012年度には、年間約32万人が利用しており、今後も高松市の新たな交通手段として、活躍が期待されている。

高松市データベース
人口420,385人※2014年5月1日現在
面積375.20km²
市HPhttp://www.city.takamatsu.
kagawa.jp/
©ニッポン 環境都市探訪 All Rights Reserved.

PAGE TOP