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滋賀県近江八幡市

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商人のまちは環境のまちへ

“エコ”村びらき

環境配慮型の住宅が並ぶ

2008年10月、市街地と田園地帯との接点にあたる小船木町に「小舟木エコ村」が誕生した。エコ村とは、2000年にNPO法人エコ村ネットワーキングによって提唱された構想を具現化したもので、身近で起こっている環境問題や社会問題が自分たちの生活とつながっていることを自覚し、持続可能な社会づくりを実践するフィールドである。産官学民が協働し、人にも環境にも優しいライフスタイルを社会に広げていくことを目指す。
2002年に、エコ村に関わる人々の共通の価値観として「エコ村憲章」が、2004年には持続可能な社会づくりに向け、エコ村で取り組む「23の課題」がまとめられ、街づくりがスタートした。
約15haの敷地内には、300戸を超える住宅をはじめ、集会所、公園などが立地し、新しい街並みを形成。住宅全戸敷地内には、各10坪以上の家庭菜園が設けられ、地域の畑と食卓をつないでいる。また、街全体で統一感のある風景を作り育てるため、土地所有者全員で「風景づくり協定」を結び、景観保護にも尽力している。生活拠点となる住宅では、地球に優しい生活を営むための工夫を提案。そのモデルハウスとなっているのが、「近江八幡エコハウス」である。

近江八幡エコハウス外観

エコハウスとは、地域の気候風土や敷地条件、暮らし方に対応した自然エネルギーの活用や、地域の材料を積極的に導入するなど、環境負荷のかからない住まいづくりを目指した住宅のこと。「21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」として環境省が全国の20自治体を選定している。近江八幡エコハウスは、2010年に開館し、海外からの来客も含め、これまでに約3,000名が訪れている。
居内には地域特性を活かした様々な工夫が凝らしてある。例えば窓の配置では、琵琶湖から吹く「湖陸風」の通り道を有効活用し、家の風通しを円滑にした。外壁には滋賀県産のヤキスギを利用、地元名産のヨシは、日射遮蔽の簾や、夏冬兼用建具に活用され、地産地消を促している。また、豊富な地下水を空調として利用することにより、夏の涼しさと冬の暖かさを補っている。屋根には3.88kWの太陽光パネルを設置。年間発電量は4,200kWhとなり、エコハウスの電力を賄っている。
様々な知恵が凝縮されたエコハウス。今後もエコ村の拠点施設として、市内外へと取り組みを発信していく。

様々な分野において、環境と向き合っている近江八幡市。古き良き歴史と元来持つ自然が織りなす美しい街を守るため、そして次世代へとつなげていくため、今後も環境先進都市として、取り組みを進めていく。

近江八幡市データベース
人口82,432人※2013年12月1日現在
面積177.39km²
市HPhttp://www.city.omihachiman
.shiga.jp/
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