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愛知県豊田市

バス進入時のみ車止めが降下

また、屋外の道路には豊田市が進める「ITS」が随所に導入されている。ITSとは、“高度道路交通システム”を意味し、人、道路、自動車が調和し、交通問題や環境課題の解決を図るシステムのことである。 例えばITSの一つ、「バス車両進入管理システム」の作動により、バスが敷地内に進入する時のみ車止めが降下。LEDライトが車道や停止位置をガイドする。「可動式狭さくシステム」では、歩行者の安全確保が必要な箇所で狭さくが上昇するなど、バス、歩行者双方の視点に配慮した仕組みを構築。これらのITS設備は太陽光で発電した電力で賄われており、最先端の技術と低炭素な社会を同時に実現している。

トヨタホームの
スマートハウス

その他、4社の住宅メーカーが手掛けるスマートハウスでは、HEMSや太陽光発電などの先端技術の導入や豊田市産材の積極的な活用など、環境負荷が少ない未来の暮らしを提案。植物工場エリアでは、“食べられる”壁面緑化システムの紹介など、ユニークな技術も軒を連ねる。

エコフルタウンを一周する約60分のガイドツアーを終えると、豊田市の取り組みがいかに幅広いかを実感することだろう。

再生可能エネルギー導入を促進

2014年6月には新たに「豊田市再生可能エネルギーセンター」がオープンした。 豊田市では、再生可能エネルギーの導入にも積極的で、市のエネルギー利用の内訳をみると、再生可能エネルギー導入率が全体の21%を占め、全国平均の2倍以上となっている。今後はこの導入率を2030年までに30%にすることを目標としている。市では、その実現に向け、地元企業のエネルギー事業への参画促進や、市民・事業者・地域へのエネルギー導入支援に力を入れている。同センターで、再生可能エネルギーに関する相談や補助金の紹介を一手に引き受けることで、利便性が格段に向上。再生可能エネルギー普及促進へとつなげていく。

誰でも気軽に豊田市の取り組みを知り、学び、体験できる「とよたエコフルタウン」。2014年7月には10万人の来場者数を記録し、日本のみならず約70カ国もの人々が訪れた。今後も様々な先進的な取り組みを発信する拠点施設として、企業との連携も図りながら、「ミライのフツー」を体現していく。

取材協力:豊田市、とよたエコフルタウン
記事公開日:2014年10月1日

編集後記 街角にて

市の取り組みが一堂に会する「とよたエコフルタウン」。豊田市の取り組みを知り、学ぶことができる、とても魅力的な施設でした。ガイドツアーに参加すれば、コンシェルジュの方と一緒に効率よく施設をまわることが出来ます。また、ガイドツアーの最後には、トヨタ製のパーソナルモビリティ「Winglet」の試乗も体験でき、”ミライのフツー”を肌で感じることができます。

(左)コンシェルジュの永松さん。「Winglet」に乗りガイドをしていただきました。
(右)敷地内にあるレストラン「地産地消ハウス ホガラカ」では、豊田市産の野菜を使ったカレーを提供。

豊田市データベース
人口422,340人※2014年8月1日現在
面積918.47km²
市HPhttp://www.city.toyota.aichi.jp/
備考環境モデル都市(2009年認定)
環境市場新聞38号掲載
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