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茨城県つくば市

スマートコミュニティの構築

開発が続く
中根・金田台地区
つくば市郊外にある中根・金田台地区。北方には、日本百名山のひとつ筑波山が望め、周辺には田園集落が広がる自然豊かな地区である。この場所に、地権者主導のモデルタウン緑住農一体型住宅地が2011年に誕生した。「緑住農一体型住宅地」とは、景観緑地の確保【緑】、一画地160~200坪程度のゆとりある宅地開発【住】、果樹園・菜園【農】の組み合わせによってできる住宅地であり、全国初の試みである。全戸太陽光発電設備の設置や景観配慮型の電線網配備、地産地消などによる、景観・タウンマネジメントの新手法を発信している。

環境配慮型の都市へ

市役所にも太陽光パネルを設置 つくば市では、公共施設への環境配慮技術の導入を積極的に行っている。2010年新庁舎となったつくば市役所では、クールピットの活用や自然換気、74kWの太陽光パネルの設置、蓄電池やLED太陽光発電照明、壁面緑化など多岐にわたる。また、バスターミナルがあるつくば駅前広場には、30kWの太陽光発電、オールLED照明、ヒートアイランド対策となる遮熱排水性舗装などが施されており、随所で環境配慮技術を見ることが出来る。 また、市が目指す低炭素社会と市民の多様なライフスタイルの実現に貢献すべく、自動車から自転車への転換も進めている。市内には、自転車通行レーンが至る所で整備されており、自転車での走行も快適だ。市では、「りんりんつくばサイクリングマップ」を無料で配布。旧筑波鉄道廃線跡地は、「つくばりんりんロード」として生まれ変わり、筑波山を望む豊かな自然が満喫できる全長40.1kmのサイクリングロードとなっている。

最先端の研究施設などが集積する都市部と、筑波山をはじめとする自然豊かな場所が共存するつくば市。2008年には国が選定する「環境モデル都市」に初めて応募するも選考に漏れてしまう。しかし、以来5年間、市独自の取り組みを活かし、継続して環境問題に向き合ってきたことが高く評価され、2013年3月、ついに環境モデル都市に選定された。今後も環境モデル都市として他の都市をリードしながら、日本が誇る最先端の技術と知識を活かした環境施策を国内外へと発信していくだろう。

取材協力:つくば市
記事公開日:2013年7月2日

編集後記 街角にて

取材時にも大活躍したレンタサイクル「つくりん」。自転車レーンを至る所に設けてある市中心部では、移動も快適です。つくば万博後の、科学技術の発信の場である「つくばエキスポセンター」やロケットの実物大展示があり、宇宙の知識が身につく「筑波宇宙センター」などの見どころも、自転車があれば、短時間で巡ることが出来ます。筑波山を拝みながらのサイクリングも気持ちいいですね。

レンタサイクル「つくりん」(左)市中心部にある「つくばエキスポセンター」(右)

つくば市データベース
人口218,645人※2013年6月1日現在
面積284.07km²
市HPhttps://www.city.tsukuba.
ibaraki.jp/
備考 つくばモビリティロボット実験特区
(2011年認定)
つくば国際戦略総合特区
(2011年指定)
環境モデル都市(2013年選定)
環境市場新聞33号掲載
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