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福岡県北九州市

世界が注目するスマートコミュニティ

地域節電所(CEMS)

現在の北九州市で、最も注目を集めている事業が、経済産業省が公募した「次世代エネルギー社会システム実証地域」に応募し、2010年選定された「北九州スマートコミュニティ創造事業」である。北九州市八幡東区東田地区内で、様々な先進的な実証事業が行われている。
東田地区は、面積120ha、居住者数約900人、就業者数約6000人。年間来街者は、約1000万人にも上る。この地区の最大の特徴は、コジェネ、水素、太陽光、風力などの新エネルギーを使い、地域内の消費電力を地域内で賄うことができる、スマートグリッドが確立されていること。住民や事業者などが新エネルギーを導入することで、エネルギーの消費者(consumer)のみならず、生産消費者(prosumer)としての役割を果たすのだ。 2005年2月に稼働を開始した、天然ガスを利用した東田地区の基幹電力「東田コジェネ(33000kW)」や地域内の再生可能エネルギーは、地区内の地域節電所(CEMS)を通じて、それぞれの家庭(HEMS)やビル(BEMS)、工場(FEMS)と連携し、最適なエネルギーマネジメントを実現している。

電力を「見える化」する
宅内表示器

例えば、一般家庭では、スマートメーターと、地域節電所との双方向の通信を行い、電力の需要と供給のバランスをとっている。そして、節電や省エネ、電力需給のピークカットや、再生可能エネルギーで創られた電力の最大活用を目的とし、東田地区の一部では、「ダイナミックプライシング」制度を導入。レベル1の1kWhあたり15円から、レベル5の1kWhあたり150円の全5段階の料金を設定し、時間帯や季節によって、電気料金を変動させることで、電力使用量のコントロールをより正確に行うことが可能となった。

<図A>
発動レベルごとの省エネ効果

ダイナミックプライシング発動の結果、料金変動させないグループと料金変動グループとを比較すると、料金変動グループに、より大きな省エネ効果が見られた(詳細は図A参照)。電気料金の安い時間帯に電気を使用し、逆の場合は外出をしたり、使用量を抑えるなど、住民のライフスタイルにも大きな影響を与え、なおかつ省エネを促進するサイクルが出来上がった。需要のかたちを変えたこの制度は、エネルギーシステムに消費者が参加することで自身の利益に結びつき、同時に地域のエネルギーシステムに貢献する好循環を生むこととなった。

北九州市データベース
人口983,236人※2013年5月31日現在
面積488.78km²
市HPhttp://www.city.kitakyushu.lg.jp/
備考環境モデル都市(2008年選定)
環境未来都市(2011年選定)
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