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エピソード環境市場新聞創刊時から連載する人気コラム。企業活性化教育研究所の長尾光雄所長が、企業研修時に経験した「因果倶時」(原因と結果は必ず一致するという意味)にまつわるエピソードを紹介します。

#26
因果倶時(いんがぐじ)-5-

自らが望む花の種をまく

 東日本大震災後の日本。共助と連帯の意識の高まりを感じる。このような時代に企業人として特に大事な言葉を一つあげるとしたら誠実さだろう。
 「言う事とする事が違う。相手によって言う事が違う。昨日と今日で言う事が違う」という人に接したら、信頼できない、誠実さに欠ける人と思うだろう。
 誠実さに欠ける人は、人間としても、企業人としても、信頼されない。誠実であるためには、考え、言葉、感情、行動を一致させる事だ。一致させて、ごまかしがないとき、あなたは誠実な人と評価され、信頼を勝ち得るのだ。因果倶時だ。
 私は誠実さの代表的人物として、インド独立の父・ガンジーをあげたい。ガンジーの誠実さがインド人の心を一つにして、独立を勝ち得た大きな武器になったのだ。
 『パワーの原則』ブレイン・リー著より一つの事例をあげよう。
 ガンジーがインドの独立に大きな影響を与えたといわれるイギリスの円卓会議で2時間演説したときの事だ。彼は演説中一度もメモを見ていないし、メモを持っていなかったという。その件でリポーターから質問され、ガンジーの秘書マハデブ・デサイが答えた。「彼の考える事は、彼の感じる事です。彼の感じる事は、彼の言う事です。彼の言う事は、彼のする事です。彼の考える事と、感じる事と、言う事とする事はどれも同じです。だから、メモはいりません。あなたや私の考える事は、ときには私たちの感じる事とは違います。私たちの言う事は、聞く人によって変わります。私たちのする事は、誰が見ているかで変わります。ガンジーはそうではないのです。彼にはメモはいらないのです」
 誠実さはパワーだ。因果倶時だ。まいた種の通りの花が咲く。種をまくときに、望まない花が咲くとわかっていたら、あなたはその種をまくだろうか? まかないだろう。だとしたら、種をまくときに考える事だ。この種をまけば、自分の望んでいる花が咲くかどうかを!!

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