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エピソード環境市場新聞創刊時から連載する人気コラム。企業活性化教育研究所の長尾光雄所長が、企業研修時に経験した「因果倶時」(原因と結果は必ず一致するという意味)にまつわるエピソードを紹介します。

#35
因果倶時(いんがぐじ)-14-

ツキにも恵まれるフローな心の状態とは!!

 集中力が抜群で、活動に完璧に没頭できる心の状態を「フローな心の状態」という。命名したのは、心理学者のミハイ・チクセントミハイ博士。この心の状態になれば最高の自分の能力を発揮できるというのだ。
私はプロ野球・楽天の田中将大投手の投球を見て、「フローな心の状態にある」と思った。日本シリーズ第2戦。6回、2アウト満塁。田中投手は、表情を引き締め、目をランランと輝かせて、渾身の投球でピンチを切り抜けた。24連勝を飾ったシーズン中と変わらぬ抜群の集中力だった。
テレビの解説者も、ピンチでの投球は、すさまじい集中力だと話していた。田中投手に見えているのは捕手のミットだけで、ミットに自分が思ったボールを投げる。その一点に集中している、と。
ある企業での私の講演終了後のことだ。近くの工事の騒音に「うるさいですね。講演中でなくてついていました」。すると総務部長が驚いた顔で「集中してたんですね。話し始めて15分後くらいからずっと続いているんですが……」。何ということだ。話すことに集中して気がつかなかった。
フローな心の状態になれば能力が限りなくレベルアップされ仕事の成果が上がる。フローな心の状態は、自分自身でつくることが可能だ。
必要なのは、どんな状況でも、自分を成長させる肯定的な考え方をし、行動すること。
「好き」「楽しむ」「今に生きる」「今できることを本気でやる」「チャレンジする」「感謝する」「自分を信じる」「応援する」「夢を持つ」「思いやる」など前向きなエネルギーの出る肯定的な言葉を身につける。「雨天=憂鬱」と意味づけせず、どのような出来事にも前向きなエネルギーが出るような意味づけをする。
そのようなことに心掛ければ、程度の差はあれ、前向きで肯定的な感情が育ち、フローな心の状態が身につくようになる。あなたの人生はツキにも恵まれ限りなく開けていくだろう。因果倶時だ。

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