私の前職の大阪支社に山本というどんな仕事にも本気で取り組む営業マンがいた。支社長が「今日100件訪問してこい」と言えば、何があっても100件の訪問が終わるまで帰ってこない。それなのに業績は上がらず、ついに支社長は「君はこの仕事に向いていない。明日から出社しなくていい」と本人に退職勧告したそうだ。
山本はどうしたか? 翌日も出社してきた。「お金は要りません。この仕事が好きです。働かせてください」。支社長はその熱意に心を打たれ、彼をパートで雇用。半年後、彼の業績は上がり社員に採用し直したという。さらに3年後、山本はトップセールスマンの仲間入りを果たした。
支社長は「山本ほど営業に不向きな人はいなかった。それでも彼は、自分はトップセールスマンになると思い込んでいた。だから諦めなかったのだ」と言っていた。
人間は自分が思ったような人間になれるのだ。上司は部下のバックアップをしてやることだ。人間は、ほんの些細なことで本気になったり、気持ちが萎えたりする。部下の立場に立ち、見たり、聞いたり、考えたりすれば部下の現状も理解できる。現状がわかれば、その部下への接し方も見えてくる。状況によって、ほめたり、叱ったり、勇気づけたりして、部下の思いを叶えてやることだ。
部下であるあなたに言いたい!! 仕事は人生だ。人生そのものだ。叱られたときは、「自分の問題点がわかった。そこを直せばさらに成長できる」。失敗したときは、「上手くいかない方法をみつけた」と肯定思考で受け止めることだ。絶対投げやりにならないことだ。
人間の能力はあなたが思っているほど差はない。どんなときでも、自分を信じる。誰よりも本気になって仕事をしている自分の明日を信じる。因果倶時だ。つらく苦しいときこそ、人は成長する。諦めずに粘り強く仕事に取り組めば必ずあなたの思いは叶えられる。諦めないことだ。