三富今昔村@埼玉県入間郡|生物多様性評価AAAの森を体験
埼玉県入間郡に里山アミューズメント型テーマパーク「三富今昔村」が2013年9月、オープンした。都心から電車とバスで約1時間、豊かな自然が広がる敷地内には絶滅危惧種に指定される植物や生物が生息する。運営母体は産業廃棄物中間処理を行う石坂産業 株式会社。廃棄物の減量化・再資源化95%を実現し、環境に配慮したリサイクル事業を展開する企業だ。
かつてここは手入れが行き届かず、ごみの不法投棄場所と化していた。そんな雑木林を、自然が持つ本来の姿に復元しようと近隣住民に代わり管理し始めたのがきっかけだった。ごみの撤去から開始し、人の手で再生を図った結果、2012年には日本生態系協会の「生物多様性」を評価するJHEP認証シリーズで、最高ランクの”AAA”を取得するまでになった。多くの人々が自然と触れ合える機会を得られるよう、施設を整備し、イベントを企画することで、大人も子どもも楽しめる三富今昔村が完成した。
そうした自然や施設を生かした小学生向けの有料ツアーが人気を呼んでいる。東京ドーム3.8個分に及ぶ広大な敷地で、環境や食、歴史について五感を使って学べる体験ツアーだ。
ツアーでは、ナビゲーターが環境知識を解説
夏に行われたのは、「くぬぎの森で昆虫採集〜燻製&パン焼き教室と自由工作〜」。朝、最寄りのふじみ野駅に集合し、送迎バスで三富今昔村へ。午前中はパン成形、工作、燻製体験というカリキュラム。ダンボールで燻製釜をつくり、卵やチーズ、ベーコンなどをスモーク。燻製ができるまでの間にパンを成形し、昼食をとった。
午後は昆虫採集。ここのくぬぎの森は、自生が難しいといわれる山ゆりやカワセミなどが生息する自然豊かな環境。子どもたちはカブトムシやクワガタを採集したが、夜行性のため見つけられるかドキドキしながら森を散策した。木にとまる昆虫を見つけ、歓声が上がる。ペットボトルでつくったオリジナルの虫かごに昆虫を入れ、専用ルーペで細部まで観察する。予め配布されたワークシートに記録すると、そのまま自由研究などに役立てられるという。
ツアー終了後のアンケートは「パンがおいしかった」「カブトムシを捕まえられて嬉しかった」と喜びの声ばかり。担当者はまず子どもたちが楽しめることを考え、そのうえでペットボトルやダンボールのリサイクル体験を通し、環境について考えるきっかけを提供したいと話す。
入村料、ツアー料金は、森の保全活動費に充てられる。同社のビジョンは、「100年先、自然とひとつになるために」。三富今昔村を核として、持続可能な未来社会への思いを発信していく。そして秋以降のツアーも鋭意企画中だ。詳細は、三富今昔村ホームページにて。
施設名●三富今昔村(さんとめこんじゃくむら)
住所●埼玉県入間郡三芳町上富縁1589-2
電話●049-259-6565(三富今昔村 事務局)
営業時間●10:00~17:00
定休日●日曜日
入村料(森の保全費用)●500円(未成年者・学生は無料)
ウェブサイト●http://santome-community.com/
こぼれ話
2016年からスタートした体験ツアー。どちらも定員以上の申し込みがあり、非常に盛況な企画となったそうです。記事で紹介したツアーのほか、「多聞院の語りべで三富の歴史を学ぶ そば打ち&地野菜収穫体験」も行われました。「三富今昔村」では環境教育をはじめ、地元の歴史や文化の継承を発信。所沢市にある多聞院で三富の歴史を、江戸から昭和までの衣食住に関する道具を展示した「今昔語りべ館」では、石臼、堆肥熱の足湯を体験し、昔ながらの知恵を学ぶことができました。今と昔を知ることで、今後の三富はより豊かなまちづくりが行われるでしょう。石坂産業のみなさん、今後も季節感のある楽しいツアーの企画を期待しています!
趣味:旅行(韓国大好き!)
性格:ネチネチしてそうに見えて、サッパリしているといわれます
女性らしいと思ったけど、実際おじさんぽかったと振られたことがあります
好きな食べ物:モスバーガー・アジの南蛮漬け
苦手な食べ物:パン粉がついた揚げ物