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サステナビリティとは――企業がサステナビリティに取り組むメリット

企業活動はもちろん、生活のあらゆる場面で耳にするようになった「サステナビリティ」という言葉。実際にはどのように私たちの生活に関係しているのでしょうか。サステナビリティの意味やSDGs、CSR、CSVとの関係性、企業がサステナビリティに取り組むメリットなどを紹介します。



【目次】
サステナビリティとは
サステナビリティの3つの柱
どうしてサステナビリティが必要なのか?
サステナビリティとSDGsは何が違う?
サステナビリティに対する意識変化

サステナビリティとは

サステナビリティ(Sustainability)とは、「Sustain(持続する)」と「Ability(~できる)」を組み合わせた言葉で、日本語に直訳すると「持続可能性」です。つまり「続けることができる」という意味。私たちが何らかの活動をすることで、社会や経済の営みが将来にわたって持続可能なものとなることを重視する、という考え方です。

「サステナビリティ」という言葉が最初に注目されたのは1987年のこと。国連の「環境と開発に関する世界委員会」が公表した、「Our Common Future:私たちの共通の未来」という報告書に出てきた言葉です。この報告書の中心的な考え方として取り上げられたのが、「持続可能な開発(Sustainable Development:サステナブル・デベロップメント)」。「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」といわれています。

地球の環境と、私たち人間が行う開発を互いに反するものととらえるのではなく、共存できるものとしてとらえ、環境保全を考慮したうえで開発を行っていくことが大切、という考え方です。 その後、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「地球サミット」などを経て、さらに世界的な認知度が上がり、2015年の国連サミットでSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発計画)が採択されると、ますます注目が高まったのです。

サステナビリティの3つの柱

サステナビリティを考えるうえでは「環境保護」、「経済発展」、「社会開発」の3つの観点が必要であり、この3つをバランスよく推し進めていくことが大切です。

■環境保護(Environmental Protection)
持続可能な世界を未来に残すために必要なことの1つが環境保護の観点です。
再生可能エネルギーの活用などによる脱炭素社会の推進、生物多様性の保全、海洋汚染対策、森林保護などが挙げられます。人間の活動によって引き起こされた負荷を軽減するための取り組みです。また省エネ・節電を通した使用電力量の削減もこれにあたります。

■経済発展(Economic Development)
経済発展とは、個々の企業や経済全体が社会に貢献し、利益を出し続けることをいいます。環境保護に配慮しながら、経済面のサステナビリティも実現するためには、経済活動の中心となる企業の力が必要不可欠であり、近年では、環境や社会に配慮した経営を行う企業への投資(サステナブル投資)も増えています。環境問題や社会課題の解決につながる商品の開発や、労働環境の整備、社会保障の拡充、貧困問題などがこれにあたります。

■社会開発(Social Development)
社会開発とは、住宅や交通、保健、医療、社会福祉、教育といった社会サービスを向上させていくことをいいます。平等に教育を受ける機会を与える活動や労働環境にも深く関係するジェンダー平等、ダイバーシティへの対応、難民問題もこれにあたります。

どうしてサステナビリティが必要なのか?

サステナビリティの考え方がなぜ現代社会で、こんなに注目を集めているのでしょうか。ひとつには、地球温暖化による環境問題の悪化が挙げられます。産業革命以降の目覚ましい経済発展の一方で、地球環境は温暖化による気候変動や海洋汚染、森林減少など、解決しなければならないさまざまな問題を抱えています。もしこのまま人間が環境保護や社会開発を考慮せずに経済発展を続ければ未来の地球は立ち行かなくなってしまいます。そうした意味でも、ただ現状の課題に立ち向かうのではなく、未来までを見すえた持続的な視点を持ち、上記で紹介したサステナビリティの3つの柱をバランスよく推し進めていくことが重要なのです。

サステナビリティとSDGsは何が違う?

サステナビリティを考えるときに、SDGs、CSR、CSVなど、似たような言葉が一緒に出てくることがあります。ざっくりとその関係性をいうと「サステナビリティを実現するための手段がSDGsやCSR、CSVである」ということになります。どれも基本的には「持続的な発展」に向けての行動や考え方ではあるのですが、それぞれの言葉には共通する部分と、異なる部分がありますので、下記に詳しく見ていきましょう。

SDGsとは
SDGsは Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。2015年の国連サミットで、持続可能な社会を実現するために2016年から2030年までの期間に達成すべき目標として掲げられました。国連加盟の193ヵ国が共通してめざす17の目標と、169のターゲット(具体的な目標)で構成されています。

SDGsの詳しい解説はこちら

今さら聞けないSDGsの基本――9月はSDGs週間
https://econews.jp/column/sustainable/9499/
(サステナブルノート 2023年8月9日)

CSRとは
CSRは「Corporate Social Responsibility」。日本語では「企業の社会的責任」と訳されます。企業は自社の利益ばかりを追求するのではなく、社会全体がよくなるために行動するべき、という考え方です。具体的には地域の清掃活動の実施や、エコキャップの回収活動、寄付などによる社会貢献活動を指します。

CSVとは
CSVは「Creating Shared Value」。日本語では「共有価値の創造」といいます。社会的な課題を解決することが、企業の収益にもつながっていく経営モデルを指します。たとえば震災などの被害を受け傷ついた農産物の食品ロス削減に向け、新商品を開発・販売し、利益を生み出していくというビジネスなどがこれにあたります。

以上、サステナビリティを実現するための世界共通の目標がSDGsであり、SDGsは企業がCSRやCSVを進めていくうえでの指標となっているのです。

サステナビリティに対する意識変化

最後に、サステナビリティと企業活動の関係について見ていきましょう。これまで多くの企業がサステナビリティに関する課題の解決をCSR活動の一環として取り組んできましたが、そうした考え方に少しずつ変化が見られます。今や気候変動などをはじめとするサステナビリティ課題は企業活動に直接影響を及ぼすものであり、これらの課題解決が企業の持続的な収益力につながると捉えられているのです。
またこのほかにも、企業価値の向上や従業員満足度の向上など、さまざまなメリットが考えられます。

【企業がサステナビリティを進めるメリット】

■企業価値の向上
サステナビリティの推進は企業イメージの向上につながります。また投資家や消費者の間でもサステナビリティへの関心は高まっており、環境問題や社会問題に取り組む企業を重要視する傾向にあります。

■事業拡大
サステナビリティへの取り組みから生まれたアイデアは、新たな市場開拓や事業創出につながる可能性があります。サステナビリティに取り組む企業同士の連携なども広がります。

■従業員満足度の向上
サステナビリティの指標のひとつであるGRIスタンダードには、「社会」の項目として「労働安全衛生」「研修と教育」などの項目が設定されています。職場環境への配慮は、従業員の働きやすさだけでなく、パフォーマンスの向上、離職率の低下などにつながっていきます。
ちなみにGRIスタンダードとは、組織が経済、環境、社会に与えるさまざまな影響について一般の人々に情報提供する際の国際的なフレームワークのことをいいます。

経済産業省が公表する資料にもサステナビリティへの対応は、「企業が対処すべきリスクであることを超えて、長期的かつ持続的な価値創造に向けた経営戦略の根幹をなす要素となりつつある」との記載が見られます。これを機会に、自社の環境に合ったサステナビリティについて考えてみてはいかがでしょうか。

企業のサステナビリティ事例はこちら

環境問題への全社対応で持続的発展/紀文グループ
https://econews.jp/report/ecostory/9219/
(Eco Story 2023年7月25日)

宿泊業 事業活動と融合するSDGs
https://econews.jp/report/corporate_sdgs/8912/
(中小企業のSDGs 2023年8月31日)

【参考資料】
外務省「持続可能な開発」
経済産業省「伊藤レポート」

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