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〝上げ下げデマンドレスポンス〞有効利用されない再エネの活用を広げ、主力電源化へつなぐ

2050年カーボンニュートラルを宣言した日本。成否を握るカギは発電における脱炭素化だろう。二酸化炭素(CO2)の排出がほぼゼロの電源は、主として原子力と再生可能エネルギー(再エネ)だ。うち主力電源化が強く望まれているのは再エネである。
そこで今一度、電力の需要と供給について振り返ってみたい。1日の電力需要がどのような電源によって賄われているかのイメージを下図に示した。電気はためておくのが難しく、つくる量と使う量をほぼ等しくする必要がある。需要が多く供給が不足しても、逆に供給が過剰で需要を大きく上回っても、いずれの場合も送配電に異常をきたし、大規模停電に陥る可能性がある。その前提をまず頭に入れ図を見ていきたい。

※資源エネルギー庁「日本のエネルギー2020」掲載図をもとに作成。

最下層に配置されたのは長期固定電源。天候に大きく左右されず安定した出力が可能な原子力、大型の水力、地熱といったものだ。これらは一度止めると再稼働に時間がかかる。そのため定量を発電し続けるベースロード電源としている。そこには自然条件で多少の出力変動がある風力発電やバイオマス発電を加えてもいい。
その上層に火力発電、さらに太陽光発電が配されている。前述のように発電する量は黒線で示した電力需要に合わせなければならず、その調整にこの2種の電源が深く関わってくる。
需要の曲線は、工場の稼働など社会が動き出す朝方に上昇し、多くが昼休憩に入る時刻で一旦下降し再び上がり、その後夜間に向かう。一方、太陽光発電は名の通り太陽の動向に従う。需要が少ない昼休みも晴れれば多くの電気をつくる。人の都合は考慮しない。
そこで調整役を担うのは比較的出力制御が容易な火力発電だ。図では日が出る太陽光発電の増量時に火力を絞り(出力制御)、曇りで太陽光が減れば出力増加するさまを上下矢印で示した。それでも発電が過剰で、火力を制御しても需要を超える場合には、太陽光の送電はストップさせる(図内「太陽光の出力制御」)。
この太陽光の電気を止めなければならない事態は卸電力市場にも影響を及ぼす。大まかにいえば供給過多になった市場の取価格の下落である。
せっかくの再エネ(太陽光)が有効利用できない状況――それを少しでも緩和するには市場価格の下落時に需要を増やせばいい。当社が「上げ下げデマンドレスポンス」と呼ぶ方法だ。再エネ拡大につながり、日本テクノも提供する市場連動型料金メニューの需要家なら電気料金節約のインセンティブも加味される。
2050年カーボンニュートラルの前段には既存の方針から7割以上アップした削減量(2013年比で46%減)を目指す2030年の目標もある。達成に向け一人ひとりの前向きな姿勢が求められている。

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