• Techno's Thinking
  • 日本テクノは「経済成長と省エネの両立」に向け、日々新たな商品の創造とサービスの充実を図っております。このコーナーではその時々の社会事情における企業姿勢を紹介します

これまで積み上げてきた温暖化対策への貢献実績をさらに広げていくために

環境市場新聞64号の1面にも掲載したように日本テクノは、この4月から一般家庭向けの電力販売を開始する。主として法人向けに展開してきたビジネスを一般消費者の市場に拡大する。そこには電力供給に携わる企業として地球規模の課題である温暖化対策に貢献したいという思いがある。
これまで工場やビルなど高圧受電のお客様に、電気設備の保安管理や省エネコンサルティングといったサービスと組み合わせ電力の小売りを行ってきた。その経験を振り返り、進めてきた事業が温室効果ガスの排出削減に確実につながり、その方向性は正しく、今できること、進めなければいけないことであると確信した。そのため、一般家庭向けにも同様の事業を広げた次第だ。

一般家庭向け電力販売では単に売るだけではなく、ウェブなどを通じて電気の使い方を提案する。それが今できる対策だ。電気の無駄づかいをなくそうという省エネの呼び掛けはもちろん、再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大につながり、ユーザーにもコスト面でのメリットが享受できる使い方を伝えていく。
ここで環境市場新聞64号の1面記事でも概略に触れた、どんな電気の使用方法が再エネの導入拡大に結びつくのかをもう一度見ておく。「上げ下げデマンドレスポンス」と呼ぶ手法である。簡単にいえば「市場の料金単価が安いときに多く使い、高ければ使用を控える」こと。市場価格に連動する料金プランのユーザーなら、これを実行すれば支払う電気料金は節約できる。同時に「安いときに使う」のは、再エネ導入拡大に役立つ。天候に左右される再エネは良好な条件が揃ったときには、発電量が一気に増える。そうすると電力供給が過多になり市場価格は下落する。このタイミングで使う量を増やせば、再エネを有効利用でき、さらなる導入拡大も進められる。
将来的には蓄電池などの技術革新が進み、過剰になった発電量を大量にためておき必要に応じて放出するような需給バランスの自動調整が可能になるかもしれない。だが現在はまだそこまで至っていない。だから「今できる対策」として、こうした電気の使い方を提唱した。たとえ自動調整が完備された未来でも、人が意識し能動的に使い方を変える取り組みは無駄ではなく継続されるべきものと考える。

ウェブで提案する「安いときに使う」方法には、明日の市場単価をグラフで確認し安価な時間帯に掃除機をかけたり洗濯乾燥機を使うといった具体的活動も紹介している。
市場単価は当社が運営するサイト「環境市場(かんきょういちば)」で簡単に確認できる。毎日正午前後に翌日の値動きをグラフで表示している。高圧受電のお客様にはその情報をもとに翌日の工程管理を見直し、より安価なときに電力使用を増やすなどの方法も勧めてきた。年間の変動では夏季の夕方は需要が増え市場価格が高騰する傾向にあるので、対策として該当する一定期間、就業時間の2時間前倒しを提案したこともある。
電気の使用状況を確認できるSMART CLOCKには、市場単価の表示機能を追加した。そのとき使っている電力量と併せて表示されるので、その場に応じた「安いときに使い、高いときは控える」という調整が可能になっている。
こうした提案を活用したお客様の成果は電気料金の低減となって積み重ねられてきた。それは温暖化対策の貢献実績とも見なせる。一般家庭向けの電力販売は、その貢献をさらに大きくしていくと考えている。

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