アジアの脱炭素11カ国連携

AZEC首脳会合東京で初開催

 ミャンマーを除く東南アジア諸国連合(ASEAN:ページ下部に用語解説)加盟国および日本、オーストラリアの計11カ国は2023年12月、アジアの脱炭素化と経済成長を実現するための連携協力の枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」の初の首脳会合を東京で開催した。

 日本が先頭に立ってアジアの脱炭素化を進める関係国の連携構想は2022年に首相が創設を提唱し、翌2023年3月には第1回AZEC閣僚会合が開かれている。今回の首脳会合でも、すでに約350件の協力事業が進行中だと経済産業大臣から報告があった。
 首脳会合で採択した共同声明では、温室効果ガス排出削減の取り組みには「多様かつ現実的な道筋があること」を重視する姿勢がうたわれ、省エネや再生可能エネルギーだけでなく、原子力や天然ガスの利用にも目を向ける必要があるとした。
 ビジョンや政策、工程表の策定を支援するため司令塔の役割を担う「アジア・ゼロエミッションセンター」を、日本政府が資金を拠出している国際機関「東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)」内に設立。民間の取り組みも進めるよう、経団連、ASEANビジネス諮問委員会、ERIAの3者で「AZECアドボカシーグループ(賢人会議)」をつくる。投資拡大を目指したトランジション・ファイナンス(移行金融)の工程表作成も進める。


東南アジア諸国連合(ASEAN)
 域内の経済成長などを目指す東南アジア10カ国の協力機構。1967年にタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5カ国によって設立され、その後ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが加盟。2023年には日本ASEAN友好協力50周年の各種記念事業が行われた。

関連記事一覧