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生物多様性の回復へ枠組み合意

締約国会議 昆明・モントリオール目標を採択

 生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が2022年12月、カナダのモントリオールで開催された。2020年までの行動を示した「愛知目標」に代わる「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」を採択し、2030年までの世界目標が明示された。

 コロナ禍により2021年10月に中国の昆明で第1部を実施し、今回は第2部。環境省の発表では、189ヵ国、9472人が参加した。
 採択された新たな枠組みは、気候変動枠組み条約における「パリ協定」に相当するともいわれる生物多様性の回復にとって重要な国際ルール。主に2050年のビジョンとゴール、2030年のミッションとターゲットで構成される。
 具体的目標は2030年ターゲットの23項目で示した。目標の1〜8は「生物多様性への脅威の低減」、9〜13は「持続可能な利用と利益配分による人々のニーズの充足」、14〜23は「実施のためのツールと解決策、主流化」と分類している。
 2030年までに陸と海のそれぞれで30%を保護・保全するという目標3は「30by30」と呼ばれ、森林を伐採して農地や畜産に利用している途上国などからの合意が得られるか懸念されていたもの。そのほかの主だったターゲットには、外来生物の侵入や定着を50%削減する目標6や、自然を活用した解決策などを用いて気候変動と海洋酸性化の影響を最小化させる目標8、企業や金融機関が生物多様性にかかわるリスクや影響などを評価してその情報の公表を求める目標15などがある。資金面では動員を段階的に年間2000億ドルへ増加、途上国向けには2025年までに同200億ドルへ増加させる。
 次回COP16は2024年下半期にトルコで開催される予定。


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