2019年度速報値 温室効果ガス排出量

6年連続減少前年度に続き最小更新

 環境省と国立環境研究所は2020年12月、2019年度の国内温室効果ガス排出量の速報値を公表した。総排出量は二酸化炭素(CO2)換算(以下同)で12億1300万トンだった。製造業の生産量が減ったことや再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大により発電に伴うCO2の排出量が減少したことなどにより前年度比で2.7%(3400万トン)減、2014年度から6年連続の減少となっている。実質GDP当たりの排出量でも2013年度以降7年連続の減少。また前年度に続き1990年度の算定開始以来の最小値も更新している。ただし温室効果ガスのうち、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)は、オゾン層破壊物質からの代替に伴って増加傾向が続いた。
 2020年3月に日本が国連に提出した削減目標は2030年度に2013年度比で26.0%減、2005年度比で25.4%減。各基準年度に対する2019年度実績は、2013年度比が14.0%(1億9700万トン)減、2005年度比が12.2%(1億6900万トン)減だった。
 エネルギー起源CO2排出量(電気・熱配分後)の主な内訳は、工場など「産業部門」が3億8600万トンで前年度比3.0%(1210万トン)減、自動車など「運輸部門」が2億700万トンで同1.8%(390万トン)減、商業やオフィスなど「業務その他部門」が1億9200万トンで同4.7%(950万トン)減、「家庭部門」が1億5900万トンで同4.3%(710万トン)減だった。

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