• サステナブルノート
  • 省エネ、エコといった日常の暮らしに彩りを添える豆知識から、地球温暖化や環境問題まで、サステナブルな暮らしを送るのに役立つ広範囲な情報を紹介。また、随時特集と銘打ってその時期ホットな話題を深掘りします。

世界中が暑くなっています!

夏本番! 世界はどのくらい暑くなっている?

いよいよ夏本番を迎え、各地で暑い日が続いています。実は世界中で夏の気温がこれまで以上に上がっていることがわかっています。 気象庁のホームページには「最近発表された世界の異常気象速報」というサイトがあります。こちらによれば、2022年7月現在、ヨーロッパ西部を中心に顕著な高温が続いているとのことです。主な高温の地域は以下の通りです。

コルドバ(スペイン南部) 最高気温43.6℃を観測(7月12・13日)
トゥールーズ(フランス南部) 最高気温39.4℃を観測(7月17日)
コニングスビー(イギリス東部) 最高気温40.3℃を観測(暫定値7月19日)

ちなみにコニングスビーの40.3℃は、2019年7月25日にイギリス南東部のケンブリッジで観測された最高気温の記録(38.7℃)を更新しています。日本に限らず、世界中が暑くなっていることがわかります。

北極の永久凍土が融け、山火事が発生

年間を通して気候が寒冷だった北極も例外ではありません。

2020年6月にはロシア・シベリアのサハ共和国ベルホヤンスクで北極圏としては最高気温となる38℃が記録されました。現在北極では永久凍土(ツンドラ)が融け始め、各地で山火事が発生しています。

世界で史上最も高かった気温といわれているのはアメリカ合衆国のカリフォルニア州デスバレーで1913年7月に記録した56.7℃とされていますが、当時は計測技術が未熟だったこともあり、現代と同じ条件での記録かどうか、疑問が残るといわれています。そのデスバレーでは2021年7月に54.4℃を記録しました。「死の谷」と名付けられたこの場所は海抜マイナス86メートルの乾燥した砂漠域で、世界でも有数の暑熱の厳しい地域ですが、それにしても50度を超える気温は想像を絶します。

南半球の温暖化状況

日本とは季節が反対の南半球も、温暖化傾向は変わりません。

たとえばオーストラリア。

2022年1月13日には西オーストラリア州のオンスロウで同国の最高気温に並ぶ50.7℃が観測されました。また、オーストラリアでは熱波の影響でこれまで山火事が多く発生しています。オーストラリアは希少な生き物がたくさんいるため、それらの生息域が脅かされるなど、生物多様性の維持という側面からも無視できない状況が続いています。 パリ協定は「産業革命後の世界の平均気温の上昇を2℃以下に抑える」という目標を掲げていますが、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル=Intergovernmental Panel on Climate Change)の会合では「このままいけば各地の平均気温は2℃以上上昇する」といわれており、いよいよ個々人でも地球温暖化対策が必要な状況となっています。

暑熱対策に活かしたい「暑さ指数(WGBT)」

暑熱対策は気温だけでなく、湿度に留意する必要があります。熱中症は体がうまく熱を発散できないために起こる症状ですが、大気中の水分が増え湿度が上がると汗をかきにくくなり、体内の熱がうまく逃がせなくなります。そこで活用したいのが「暑さ指数(WBGT)」です。暑さ指数とは人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標です。単位は気温と同じく℃で示されますが、その値は気温とは異なります。人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。 環境省の熱中症予防情報サイトでは毎日1時間ごとの暑さ指数を発表しています。暑くなりそうな日に外出予定がある場合は、こうした情報も積極的に活用しましょう。

なお、今夏は電力需給がひっ迫する可能性があるといわれており、政府や電力会社は節電を呼び掛けています。

空調の過度な稼働は禁物ですが、節電を意識するあまり、使用を止めるのは危険です。暑さ指数などを見て総合的に判断し、危ないと思ったらためらわずに空調を使用してください。

関連動画

夏に効果の高い省エネ事例はこちら  【第272回】秋山錠剤株式会社



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