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  • 日本テクノは「経済成長と省エネの両立」に向け、日々新たな商品の創造とサービスの充実を図っております。このコーナーではその時々の社会事情における企業姿勢を紹介します

自らが招いた地球温暖化 達成の困難な目標にも一人ひとりの行動で超克

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会が2021年8月、最新の第6次評価報告書を公表した。パリ協定を旗印にした国際社会は産業革命以前からの気温上昇を1.5℃に抑える努力目標を掲げているが、この報告書では2021~2040年に1.5℃に達する可能性が高いと予測している。すでに排出されてしまった温室効果ガスの影響だ。さらに、温暖化を招いた原因は人類の活動にあることを「疑う余地がない」と指摘した。
 これまでの気温上昇は1.09℃で、世界的な気候変動により、熱波、大雨、干ばつなどが多発していることも示し、早急な温室効果ガス排出削減対策をとらなければ、さらに悪化すると警鐘を鳴らしている。

 その地球温暖化に対する日本の取り組みは2050年の排出量実質ゼロを目標として進められている。前段の2030年には2013年比で46%削減を目指す。目標実現のための施策の道筋はエネルギー基本計画で示される。経済産業省はその素案を2021年7月に公表した。
 計画案に提示された2030年度の電源構成は、前回の計画より化石燃料の比率を引き下げ、再生可能エネルギー(再エネ)など温室効果ガス排出がない電源を増やす内容だ。特に再エネは、前回の22~24%から36~38%と大きく増加させている。
 再エネの内訳で大幅増を見込んでいるのは太陽光発電だ。現在、日本の太陽光発電導入量は中国、アメリカに次ぐ世界3位で、国土面積当たりでは首位。平地面積当たりでも同様で2位のドイツの2倍以上である。山間地への設置も考えられるが大雨による崩落事故などへの懸念から大量導入は難しい。天候に左右されるため現状でも供給過剰が生じるタイミングがあり、その際は発電が抑制されている。つまり単純な導入拡大ができず、さまざまな課題を乗り越える必要がある。
 風力発電も同様に、欧州とは異なり風況が夏に大幅に低下すること、海上施設では遠浅ではなく急激に海底が深くなる地形が多いために浮揚型の設置が必要といった壁が立ちはだかる。
 もう1つの温室効果ガス排出がない原子力発電の比率は、前回計画のまま残されている。安全性の確保を大前提としたうえで、さらなる明確な位置づけが必要になるだろう。
 こうして各項目を分析してみても、いずれも一筋縄ではいかない取り組みとわかる。

 加えて計画案には省エネの目標も提示している。生活や経済活動に必要なエネルギー源を、化石燃料から脱炭素化した電力にシフトする対策も同時に進めるため電力需要の増加は必然と思われるが、それを相殺しさらに上乗せする省エネ成果を求める。2019年度の総電力量は1兆240億kW時であるが、2030年度には9300億~9400億kW時にまで抑制する目論見だ。
 2030年へのカウントダウンはもう始まっている。家庭でも職場でも省エネを意識し、今できることを一人ひとりが実行していく以外に目標に達するすべはないだろう。その先の2050年カーボンニュートラルへのステップにも弾みをつけたい。
 IPCCの報告書では、今後人類がとる温暖化対策のレベルに合わせ5つのシナリオを提示している。そのうち、世界が2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロを実現できる最も対策の進んだシナリオでは、1.5℃からいったん上昇するものの世紀末には下降に転じると予測している。

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