• Techno's Thinking
  • 日本テクノは「経済成長と省エネの両立」に向け、日々新たな商品の創造とサービスの充実を図っております。このコーナーではその時々の社会事情における企業姿勢を紹介します

脈々と息づく省エネ活動 教えを携え取り組み続ける

 1973〜1974年に起きた第1次オイルショックからちょうど50年の時が過ぎた。第4次中東戦争の勃発で国際原油価格が高騰し世界経済が大きく混乱した出来事だ。エネルギーの約8割近くを輸入原油に頼っていた日本も高度経済成長期に終止符を打つ経済危機に見舞われた。
 その事態を乗り越えるため産業界は省エネを加速させた。エネルギーをできるだけ効率よく使えるよう消費電力の低い製造機器や家電、低燃費のエンジンなどの開発に力を傾ける。その結果、日本の省エネ技術は一気に進み、世界的にも高い評価を受けるようになった。
 やがて1990年頃になると、これ以上の対処は難しく省エネ対策は枯渇するとまで危惧されるようになった。しかし、その頃には産業界だけではなく家庭や個人といった幅広い主体にもエネルギーを無駄なく使うという意識は浸透し、省エネ活動の進展が止まることはなかった。
        
 昨年の8月は「最も暑かった」といわれ猛暑日が続き夏日は3月から11月までと、春や秋をほとんど感じることがない1年となった。この冬も暖冬が予測される。温室効果ガス排出増による地球温暖化との指摘は疑えない。日本だけではなく世界各地で山火事、洪水、台風などの自然災害による被害は甚大化しており、海水温の上昇により海洋生物の生息域が変化し生物多様性の損失にも影響している。
 だがそれでも、石油危機を乗り越え、対策は尽きたと危ぶまれるまでになっても衰えなかった省エネの取り組みが、排出減による温暖化対策の一条の光明になっている。
 闇を照らす光がその存在を主張するかのように昨年夏の電力需要は、事前の想定よりも低く抑えられた。観測史上最高の暑さ、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う各種イベントの再開、インバウンドも戻り始め賑わう観光地など、当初の予想を超え、電力需給が逼迫する要素は多分にあったはずなのに、上振れはしなかった。
 抑制的な需要傾向になった原因にはテレワークの減少で家庭の電力消費が減ったなどさまざまな要素があると考えられる。そして、その要因の中には多くの人の省エネ活動が含まれているのは確かだ。オイルショック以降培われたエネルギーを無駄なく使うという意識が導く行動である。
        
 日本テクノは、電気の「見える化」を通じて省エネ活動の推進を一貫して続けている。そこに最近は「上げ下げDR(デマンドレスポンス)」を加えた。自然環境の影響を受けやすい再生可能エネルギーの変動する供給力を平準化する目的がある。より効率的なエネルギー利用に役立てようとする考えだ。さらに、販売している電力のほとんどは温室効果ガス排出が実質ゼロのCO2フリーメニューを基本としている。
 当社は約6万8000件のお客様とつながりがある。1人もしくは1社の成果はわずかに見えても、それが千、万と積み上がれば光明の束は太くできる。幾多の危機を乗り越えた国のその教えを携え、取り組み続けたいと考える。

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