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テッくんのQ&A《環境トレンド》

好評連載「テッくんのQ&Aコーナー」。前回の「電気の資格」からテーマを変え、今回は注目されているトレンドな環境分野の事柄について解説していく。まずは二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロを示す言葉。
(環境市場新聞65号~66号に掲載)

Q カーボンニュートラルってどういう意味?

 カーボンニュートラルを日本語に直訳すると「炭素中立」になる。「炭素」は二酸化炭素( CO2 )、「中立」はプラスマイナスゼロを意味するよ。空気中に出されるCO2の量と吸い込まれる量が同じであるという意味だ。 CO2 をはじめとする温室効果ガスの排出量から森林による吸収量などを差し引いた値がゼロになることだね。
 日本では菅義偉首相が2020年10月の国会所信表明演説で「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言したね。

Q なぜカーボンニュートラルを目指すの?

 まず差し迫った問題として挙げられるのは、地球温暖化対策だ。近年、日本でも気温の上昇や異常気象が話題になるけれど、これらは温室効果ガスの排出量が増えたことで起こる地球温暖化の影響によると考えられているよ。これ以上ひどくならないように、少しでも早くカーボンニュートラルにする必要があるんだ。
 また2050年達成のためには、今よりもっと再生可能エネルギーを活用したり、技術革新を進めたりしなければいけないといわれている。そうしたカーボンニュートラルへの取り組みには大きな努力が必要なんだ。だけどそれは、次の成長への原動力になるとも考えられている。地球環境を保全するための新たな技術開発で、全世界が成長していければいいよね。

Q カーボンニュートラルを表明したのは何カ国?

日本を含めた124の国と1つの地域が2050年までのカーボンニュートラルの実現を表明してい2017年実績、エネルギー起源 CO2のみ)。そこに2060年までの実現を表明している中国を加えると、全世界の約3分の2を占めることになるんだよ。
 さらに、国や地域以外にも、地方自治体や企業が表明するケースも見られ、カーボンニュートラルの輪は官民などさまざまな垣根を越えて確実に広がっているんだ。

Q 資格をなぜみんな2050年を目標にするの?

 2020年から取り組みがスタートした、気候変動に関する国際的なルール「パリ協定」では、「今世紀後半にカーボンニュートラルを実現」するため温室効果ガス排出量削減に取り組むとしているよ。2050年からが「今世紀後半」になるよね。ちなみにこの協定はすべての国が参加して地球温暖化対策を進めていく決まりなんだ。
 さらに、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「1.5℃特別報告書」では、産業革命以降の温度上昇を1.5℃以内に抑えるという努力目標の達成に2050年頃までのカーボンニュートラルが必要と報告している。そうしたことを背景に「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指す国が増えているんだ。

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