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テッくんのQ&A《環境用語の基礎知識》

好評連載「テッくんのQ&Aコーナー」。今回から環境問題でよく聞く基本的な用語について最新の情報を交えながら解説していく。家族や友人との会話にも活用できるだろう。
(環境市場新聞67号~69号に掲載)

Q 地球温暖化とは?

 地球温暖化とは、人間活動の拡大により二酸化炭素(CO2)、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなどの温室効果ガスの大気中の濃度が増加し、地球表面の温度が上がることなんだ。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告では「2011年から2020年の世界の
平均気温は1850年から1900年の気温よりも1.09℃高く、2081年から2100年の平均気温は1.0〜5.7℃上昇する」と見ているよ。地球温暖化が原因と疑われる自然災害も世界各地で発生していて、一刻も早い対処が求められているんだ。

Q などんな仕組みで地球は温暖化するの?

 太陽から届く光のエネルギーの約7割は、大気と地球表面に吸収されて熱に変わるんだ。その熱は地球表面から反射するように宇宙に飛び出ていき、その一部が大気中の温室効果ガスに吸収される。そのため地球表面は適度な温度に保たれているんだけど、人間活動により温室効果ガスが増加しているから、これまでのバランスを超えて、より多くの熱が吸収されてしまう。その結果、地球表面の温度が上昇しているんだ。
 地球温暖化を防ぐためには CO2などの温室効果ガスを出さないようにしなくてはいけない。多くの国がカーボンニュートラル( CO2 の出る量と森の植物などが吸い込んでくれる量が同じになること)を表明しているのは、そうした背景があるからなんだよ。

Q 気候変動とは?

 気温や湿度など大気の状態のことを「気候」といい、数十年という長期間で見たときに気候の平均状態が大きく移り変わることを「気候変動」と呼ぶんだ。地球上で起こる大気現象は太陽のエネルギーから発生していて、それが大気圏、海洋、陸地、雪氷、生物圏の間でやりとりされているよ。このようなエネルギーの流れの中で気候の状態はさまざまに変化しているんだ。
 現在、世界の平均気温が上昇するという気候変動が起きている。これは地球温暖化と呼ばれ、それが原因で台風や大雨など自然災害の規模が以前より大きくなっているんだ。

Q 気候変動の要因には何があるの?

 気候変動の要因は、大きく自然と人間の活動に分けられる。自然の要因には、海洋の変動、火山の噴火によるエーロゾル(大気中のちり)の増加、太陽活動の変化などがあるよ。特に地球表面の約7割を占める海洋は大気との間で熱や水蒸気などを交換していて、海流や海面水温などの変動が大気の運動に大きな影響を及ぼすんだ。
 人間の要因で一番大きいのは温室効果ガスの排出だ。つまり化石燃料の燃焼や自動車の排ガスなどで二酸化炭素( CO2 )を出すこと。さらに農地拡大や都市開発による森林伐採で CO2 の吸収量が減っていることも影響しているんだ。今、気候変動を抑えるために、カーボンニュートラルへの取り組みが世界中で進められているよ。

Q 温室効果ガスとは?

 温室効果ガスとは、大気に含まれる気体(ガス)の中で、地球の表面から宇宙に出ていこうとする熱をため込む働きがあるものをいうよ。よく知られているのは二酸化炭素( CO2 )だけど、国連(気候変動枠組み条約)で指定している温室効果ガスには、それを含め7種類ある。ほかの6つは、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄、三フッ化窒素だ。
 熱をため込む性質があるのだから、これらのガスのおかげで地表は暖まり、今の地球の平均気温は約14℃に保たれているんだ。もしも温室効果ガスがまったくなかったら、地球の表面温度はマイナス19℃になっているだろうと、気象庁は推計しているよ。

Q 温室効果ガスが増えるとどうなるの?

 大気の中の温室効果ガスがなくなって厳しい寒さになるのは困るけれど、逆に増え過ぎるのも問題なんだ。ガスにため込まれた熱が多くなり必要以上に気温が上がる。それが地球温暖化で、その結果、異常気象が発生しやすくなるなど気候変動につながっていく。
 少し前までちょうどいい量だったけれど、人間が石炭や石油といった燃料を使ってたくさんの CO2 を出したことなどで温室効果ガスは増えてしまった。だから気候変動が進まないように出す量を減らす必要があるんだ。減らして実質ゼロにするというカーボンニュートラルに、今、世界の国々が取り組んでいるよ。

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