地球温暖化最新報告書公表 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
人間活動に起因「疑う余地なし」
地球温暖化に関する最新の研究成果を定期的に公表している国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2021年8月、第1作業部会による第6次評価報告書をまとめた。「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と断定し、前回報告の「可能性が極めて高い」から、さらに表現を強めている。
2011~2020年の世界平均気温は、産業革命前に比べ1.09℃高くなったと分析。温暖化対策の国際的枠組みパリ協定では、2℃未満の気温上昇を目標とし、1.5℃の努力目標を掲げているがすでにその値に近づいている。
報告書では温暖化対策がどれほど進むかによって将来予測を5つのシナリオで提示した。いずれのシナリオでも、今世紀半ばまで気温は上昇するという。ただし最も対策が進むシナリオ(2050年ごろに二酸化炭素〈CO2〉排出を実質ゼロにするもの)では、いったん上昇するものの今世紀末には1.5℃以下の水準に収まる可能性があるとした。逆に化石燃料依存で対策がない想定では最大5.7℃の上昇を予測している。温暖化の進行で起きる現象には、極端な高温、海洋熱波、大雨、台風、干ばつなどの頻度や強度の拡大を挙げた。
IPCCにはほかに2つの作業部会があり、それぞれが報告書の作成を進めている。2022年2月に第2、3月に第3作業部会が報告を公表する予定で、9月には3つをまとめた統合報告書が示される。
電気に関する総合サービスを提供する日本テクノの広報室です。エコな情報発信中。