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手塚マンガでエコロジー入門|エコブックス

漫画の神様が作品に込めた思い

「漫画の神様」と称され戦後日本の漫画・アニメーション界の第一人者であった手塚治虫氏(1928〜1989)。生前残した膨大な作品の中から環境問題や命の尊さといったエコロジーにかかわる8作品を収録した書籍。それぞれの作品のあとには、亡くなる直前まで書き続けた未完のエッセイ集『二十一世紀の君たちへ ガラスの地球を救え』からの文章も添えられている。
8つの掲載作品は、代表作に数えられる『鉄腕アトム』から1話、『ブラック・ジャック』から4話、『三つ目がとおる』から1話、それらに加えて、自伝的要素がうかがえる『モンモン山が泣いてるよ』と、実話に基づいた『原人イシの物語』。1956年の『鉄腕アトム』を除き、いずれも1970年代後半に発表された作品だ。
農薬散布によって変異した寄生虫が、人間の持ち込んだ外来種の犬を媒介して人の体内に侵入し、舞台であるオーストラリアの村人たちを死に至らしめてしまう『ブラック・ジャック』のストーリー、太古の三つ目人文明が海底に投棄した人工革の袋(中身は大量の廃棄物)が浮上し、現代の町が汚染の危機に陥る『三つ目がとおる』のエピソードなど、世紀をまたいだ今も残る課題を想起させる。
自然の大切さや命の尊さをテーマにする作者の思いはいずれの作品にも通底する。気軽に読める漫画。エコロジーを考えるきっかけには最適だ。

子どもの未来社 1,500円+税
手塚治虫 著
1928年11月3日、大阪府生まれ。1947年に『新宝島』を発表。新しい表現方法でストーリー漫画を確立し、漫画を魅力的な芸術にした。1961年、手塚治虫プロダクション動画部(のち虫プロ)を設立。日本初の長編TVアニメシリーズ「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」などで日本中の子どもをとりこにした。漫画とアニメーションすべての作品は、手塚の永遠のテーマである「生命の尊さ」で貫かれている。1989年2月9日に60年の生涯を閉じた。

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