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プラスチック汚染とは何か

洗濯や自動車走行、靴底も発生源に

 判型は一般的なコピー用紙を半分に折った大きさのA5判。頁数も多くはない小冊子シリーズの1冊(88頁)。だがここに著述されている内容は、小型書籍には不釣り合いなほど濃密だ。
 環境省の審議会委員も務めた環境ジャーナリストの著者がプラスチックごみ問題を体系的にまとめあげた。プラスチックとはどんな物質で、どのように廃棄物が発生し、どんな影響があるか。対して世界や日本はどう取り組んでいるか。豊富なデータをもとに解説を進め、問題の奥深さを伝える。
 5mm以下の微細なものをマイクロプラスチックといい、海洋に流出し魚介類が摂取すると、それを食べる人間にも影響が及ぶとの指摘も紹介。プラスチックは海洋中でPCBなどの有害物質を吸着しやすいからだ。発生源には、家庭用洗濯機(ポリエステル製などの衣類を洗濯するたび繊維が剝がれ下水から海へ)タイヤ(自動車の走行中に削られ雨で道路から流される)、都市部のちり(合成繊維の靴底、人工芝、建物の塗料の剝片など)といった一般にはあまり知られていないものがあることも教えてくれる。
 「おわりに」で著者はプラスチックごみ問題を契機に真の持続可能な社会とその実現への取り組みに対し「対症療法を超えた議論が深まることを心から願っている」と記す。

岩波書店 620円+税
枝廣淳子 著
1962年京都生まれ。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。学至善館教授。著書に『地元経済を創りなおす―――分析・診断・対策』(岩波書店)、『「定常経済」は可能だ!』(共著)『アニマルウェルフェアとは何か―――倫理的消費と食の安全』(ともに岩波ブックレット)ほか多数、訳書に、レスター・R・ブラウン他『大転換―――新しいエネルギー経済のかたち』(岩波書店)、ウルリッヒ・ベック『変態する世界』(共訳、岩波書店)ほか多数。

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