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絶滅できない動物たち ── 自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ

「種」「進化」「絶滅」「保全」とは何か

 原題は「復活の科学(Resurrection Science)」。復活させる対象は絶滅種もしくはその危機に瀕している生物種。希少な固有種のキハンシヒキガエルを厳重な管理下にある飼育器の中で保護飼育するといった生物学者らの懸命な取り組みをドキュメントしている。ただし、その活動に対して真正面から賛意を示すわけではない。一歩引いた位置から疑問を投げかける。
「人間はこのカエルを絶滅するに任せるべきだったのではないか」(ⅲ頁)。カエルの故郷はタンザニアにある熱帯雨林の滝。そこに水力発電ダムができ生息地が奪われた。貧困撲滅のためにも深刻な電力不足の解消が不可欠だったからだ。カエル保護のため莫大な費用を投じ、生命維持装置に閉じ込めて守るのは正しい行いか。
そのほか、異種交配させ遺伝的な多様性をかろうじて保つフロリダパンサー、武装した兵士に護衛されながら繁殖を強いられるキタシロサイなど。その保全活動を通し、絶滅と闘う人々を紹介する。乱獲によりたった100年で絶滅したリョコウバトや数万年前に消滅したネアンデルタール人を、DNAから復元する「種の再生」にも触れる。
それらは正しい行いなのか。「種」「進化」「絶滅」「保全」といった概念を問い直すきっかけになる一冊。

ダイヤモンド社 2,200円+税
M・R・オコナー 著/大下英津子 訳
ジャーナリスト。2008年、コロンビア大学ジャーナリズムスクール修了。現地取材でアフガニスタン、ハイチ、スリランカにも赴いた。『ニューヨーカー』、『アトランティック』、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『フォーリン・ポリシー』、『ストレート』、『ノーチラス』等に寄稿。初の著書となる本書は、アルフレッド・P・スローン財団の支援を得て執筆。2016年にマサチューセッツ工科大学のナイト・サイエンス・ジャーナリズム・フェロー。ニューヨーク・ブルックリン在住。

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