意外と知らない電気料金の算定方法

 複数の費用項目を積算して請求される電気料金。さまざまな電力契約がある中で今回は、家庭用の「従量電灯」という料金形態をもとに一般的な電気料金の構成要素を説明していく。

 従量電灯とは、使用した分に応じて課金される料金制度のこと。ただし、電気の使用量に応じて決まる「電力量料金」だけでなく、「基本料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」も加算される。
 「基本料金」の多くは契約アンペアで決まる固定料金で、アンペア数が上がると料金が高くなる。これは東日本の電力会社に多く見られるプランだ。
 「燃料費調整額」は、火力発電に必要な燃料(原油・LNG・石炭)の輸入価格に応じた調整金のこと。調整単価は地域の小売電気事業者ごとに財務省の貿易統計価格(実績)から自動的に計算され、毎月の電気料金から加減算される。
 「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)導入を促進させるための制度。国が定めた再エネの費用を、消費者が電気の使用量に応じて賦課金として負担する。
 多くの電力会社のプランには「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が含まれるので、電力の料金メニューを比較検討する際は、この2つの扱いについて注意する必要がある。ちなみに検討の際は明細書に記載されている「供給地点特定番号(使用場所を管理するための22桁の番号)」と契約プランを事前に調べておくとスムーズな比較ができるだろう。
 いずれにしても電気料金の大半を占めるのは、使用分に応じて課金される「電力量料金」だ。従量電灯の場合、使用電力量が増えると第2段階、第3階に切り替わる3段階料金制度を採用する会社が多いが、最近は使用量にかかわらず料金単価を固定する会社もある。電力の自由化が進み多彩な料金メニューが生まれた結果、一般家庭でも選択肢は確実に増えている。
 それぞれの家庭に適した電力会社や料金メニューを選ぶには過去の料金明細を確認するのが望ましい。それと同時に、日常生活の電気の使い方も見直し、電気代の節約を図ることで、家計だけでなく温暖化問題への貢献にもつなげたい。

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