今も昔も変わらない電気のつくり方

人々と電気の関わりは、「静電気」の発見に始まる。見つけたのは古代ギリシャ人。琥珀を布でこするとチリや糸などを引きつける力が生まれることに気づいた。以来、たくさんの人々がこの不思議な現象について研究を続け、19世紀初頭には電気がエネルギーとして利用できることがわかってきた。しかし、当時の人々の暮らしを支えるエネルギーは蒸気機関が主力。照明は石油やガスを使ったランプが使用されていた。
そんな世の中を一変させたのがエジソンによる白熱電球の発明だった。これにより照明は、電気式の明かりである電灯へと変わっていく。

ほとんどの電気は回転運動がもと

エジソンは電気を普及させるため1881年にニューヨークで世界初の発電所を建設した。燃料に石炭を使う火力発電所。水を火力で加熱し、高温高圧の水蒸気を発生させ蒸気タービンに噴射する。その勢いで蒸気タービンを回し、タービンの先につけた発電機を回転させ発電する。エジソンは化石燃料を燃やした熱エネルギーを回転エネルギーに換えて電気をつくり出した。発電所の完成で電気は飛躍的に普及していった。
現在でも、火力、水力、原子力、風力、地熱など多種の発電方法があるが、そのほとんどが発電機を回転させる方式だ(ただし太陽光発電や燃料電池発電は回転エネルギーを利用しない)。つまり発電の仕組み自体は今でもエジソンの時代と同じなのだ。
物質を回転させて電気をつくるこの方法は、大規模な発電所以外にも、自転車のライトなどに利用されている。これはタイヤの回転運動を電気エネルギーに変換することで発電、点灯する仕組みである。

※ イラストは『イチから学ぼう デンキのキホン』(編集 日本テクノ)より。

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