初の電力需給逼迫警報 発出

2022年3月東京・東北電力管内で

 東日本大震災の影響で電力需給が逼迫したことを受け、供給不足が予想されるときには政府が事前にそれを知らせ、緊急の節電要請を行う電力需給逼迫警報。2012年に導入されたその制度が2022年3月初めて適用され、東京電力と東北電力の管内に警報が出された。
 警報発出の数日前に起きた最大震度6強の福島県沖地震により複数の火力発電所が停止し、供給力は大きく低下していた。そこに真冬並みの寒さが加わり、暖房などの電力需要が増加した。さらに日照に左右される太陽光発電が悪天候によって出力が低下して設備容量の1割程度しか発電できなかった。需要が高い冬が過ぎ、複数の火力発電所が定期点検などで運転を止めるというタイミングも重なっていた。
 そうした事態に対し、ほかの管轄の電力会社から電力の融通を受けたり、運転可能な火力の出力を増加したりといった対策は進められたが、依然供給力の確保は危ぶまれると判断された。
 その後、政府や電力会社が繰り返し節電要請を出し、目標節電量の約7割が達成できたことなどで需給は緩和された。需給逼迫警報は発出の翌々日に解除されている。

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