発想の根本は常に「地域の役に立つ」#37/コーナン商事株式会社
近畿圏におけるホームセンターの草分け的存在であるコーナン商事株式会社。1978年の1号店オープン以来、国内外にグループ総計500店以上出店した現在も一貫して心がけていることがある。それは「地域に密着し、お客様の望む商品を提供し、信頼を得ることで地域の発展に貢献する」ことだ。
「当社はこれまで、出店先のお客様にとって役立つことを、純粋に取り組んできました。それがサステナブルな取り組みとして今の時代に評価されているのだと感じています」(上席執行役員総務部長 飯阪規雄さん)。
例えば近年日本各地で発生する豪雨などの激甚災害。同社ではこうした災害が発生すると、土嚢やシャベル、水や食糧といった支援物資を被災地周辺の店舗で多数用意し、場合によっては近隣スタッフが応援に駆け付けて該当地域の店舗で支援に当たる。また、災害発生時には支援物資や一時避難場所を提供するという協定を自治体と締結している地区もある。そうした協定の締結数は2023年2月時点で55を超える。自分たちが用意する商品で近隣住民を支える活動は、まさにホームセンターならではの取り組みといえる。
そのほか、社員による和歌山県田辺市の森林保全活動「コーナンDIYの森」(上写真)、2010年度から毎年取り組む大阪府と堺市に対する寄付活動(子どもたちの教育・スポーツ・芸術活動に役立てる基金への資金提供)なども実施。さらにはウクライナから大阪に避難してきた方への支援にも協力した。
「私たちの発想の根本はずっと変わりません。地域の皆様のお役に立つこと。それにより共存共栄を図ること。それが私たちの理想とする企業像です」(飯阪さん)
現在同社では、これらの取り組みを一歩進め、環境に影響の少ないサステナブルな事業運営を目指している。2022年から始めたプラスチック製品のリサイクルでは年間25トンのプラスチック使用量が削減できる見込みだ。また、店舗や流通センターの屋根上に太陽光発電設備を設置するなど、二酸化炭素(CO2)排出量の削減にも積極的に取り組む。さらに廃材を活用してアップサイクルを実現するDIYワークショップを開催するなど、店舗利用客を対象とした活動にも力を入れている。 同社はこれからも地域密着をキーワードに、地域に寄り添い、発展に貢献することで、自らも大きく前進していく。
こぼれ話
「コーナンeショップ」というネット販売サービスも手掛ける同社ですが、基本は「地元密着の対面式の営業なのです」と同社の広報ご担当者さまは話されます。しかもDIY用品を中心に販売しているからこそ、災害時の対応はきめ細かさが求められます。大規模災害発生時にはスタッフが被災してしまうなど、出勤がままならないケースもあるとのことです。そうした際も近隣から可能な限り物資をかき集め、さらに応援スタッフが駆け付けてお店を開きます。その真摯な対応には頭が下がる思いです。
災害発生時に頼りになる存在ではありますが、大雨や短時間強雨の発生頻度増の背景には地球温暖化の影響があるといわれています。同社が頻繁に災害対応をせずに済むような地球環境になることが理想的だと思います。
日々2児の子育てに奮闘するお父さん。
自然と触れ合うのが何よりも好きです。