ラムサール条約湿地 新規登録-宮城・志津川湾/東京・葛西海浜公園

 2018年10月、ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)の保全対象リストに日本の2カ所の湿地が新たに登録された。1つは宮城県南三陸町の志津川湾(5793ヘクタール)、もう1つは東京都江戸川区の葛西海浜公園(367ヘクタール)。また、すでに登録されていた兵庫県豊岡市の下流域・周辺水田の登録区域が拡張され、534ヘクタール増の1094ヘクタールになった。2件の新規登録と1件の区域拡張により国内のラムサール条約湿地は52カ所、総面積は15万4696ヘクタールになる。
 志津川湾は、太平洋に面した三陸海岸の南にある海洋沿岸域の湿地。海草や海藻類が繁茂する藻場が発達していて、500種以上の海洋生物が確認されている。藻場には絶滅危惧種のコクガンが飛来し、越冬地にしている。
 葛西海浜公園は都内初の登録湿地。東京湾に川の水が流れ込む汽水域で、干潮時には干潟が広がり、貝類や甲殻類など多くの生物が生息する。スズガモなどの渡り鳥が飛来し、越冬地となっていることから国際的にも重要な湿地とされる。
 円山川下流域・周辺水田は絶滅危惧種のコウノトリの野生復帰事業が行われている区域。2017年10月に鳥獣保護区域が拡張されたことに伴い、条約湿地の登録区域も拡張された。
 ラムサール条約の対象となるのは、水鳥の生息地などとして国際的に重要な湿地と、そこに生息する生物。それらを保全し、人と自然が共存しながら賢明な利用(ワイズユース)を促進していくことが目的とされている。

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