世界の再エネ増量 過去最高 IRENA 2023年の集計報告

3倍増の国際目標には遠く

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は2024年3月、2023年の世界の再エネ容量を集計した報告書を発表した。発電容量は前年から13.9%増加して3870ギガワット。全体に占める再エネの割合は2022年の40.4%から43.2%に拡大した。
 新たに導入された量は、過去最高の473ギガワットだった。全発電容量の増加分のうち86%を再エネが占める結果になっている。
 増加量の内訳は、太陽光=346ギガワット、風力=116ギガワット、水力=7ギガワット、バイオマス=4.4ギガワット、地熱=0.2ギガワット。再エネ拡大をけん引しているのは太陽光と風力の2つであることがわかり、合わせて増加分の98%にのぼる。
 地域別ではアジアの新規導入が最も多く増加分の69%のシェアになっている。だが、増加分の大半は中国(63%、297.6ギガワット)だ。報告書では、開発のニーズがあるにもかかわらず大多数の途上国が取り残されている現状に懸念を示している。そのほかの主な地域の増加容量は、ヨーロッパ=71.2ギガワット、北アメリカ=34.9ギガワット、南アメリカ=22.4ギガワット、オセアニア=5.5ギガワット、アフリカ=2.7ギガワットだった。
 数値上は拡大傾向にある再エネだが、太陽光と風力に偏る開発や地域格差は成長を阻んでしまう。IRENAでは国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で合意した2030年までに世界全体で再エネを3倍にする目標にはほど遠く、より一層の取り組みが必要としている。

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