4年後の供給電力9割強を確保 容量市場初入札約1.7億kW約定

 将来の電力の供給力を取引する容量市場の初入札結果が2020年9月にまとまり、市場管理者である電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表した。約定量は1億6769万kWで目標調達量の約94%が確保できた。
初入札で取引されたのは4年後の2024年度の供給力。広域機関は目標調達量を1億7747万kWとしていた。約定価格は1kW当たり1万4137円。総額は1兆5987億円(小売電気事業者の急激な負担増を緩和するための経過措置を加味した額)になった。
ここで決定した将来の供給力に対する費用は、需要家に電気を販売している小売電気事業者がシェアに応じて負担していく。また、電気の送配電事業を担っている一般送配電事業者も費用の一定額を負担する。
約定した供給力の内訳は、電源の種類別に見て火力や原子力、大規模水力などの「安定電源」が94.7%、太陽光や風力などの「変動電源」が2.8%、デマンドレスポンスや小規模電源などを組み合わせた「発動指令電源」が2.5%となった。なお、入札した電源の97%が約定している。約定した発電事業者は4年後の該当年度に容量確保契約金額を受け取る。
供給力確保のためのオークションは来年度以降も毎年、広域機関により開催され順次4年後に必要な量を調達する。

<解説>将来にわたる電源確保のため創設された仕組み ─ 容量市場 ─

 今回初入札が実施された容量市場は、日本国内の将来にわたる電力の供給力(kW価値)を取引する場だ。容量市場の管理者・広域機関が4年後に必要な電力量を推計し、それに相当する供給力を日本全国の発電所からオークション方式で集め確保する。
この市場がつくられた背景には、供給力不足への懸念がある。日本では2016年4月以降、電力小売りが全面自由化され事業者間の競争により電力の市場価格が低下するようになった。すると多額の建設費を要する発電所への投資に対し、将来の資金回収が見通せなくなり、電力を供給する設備が次第に休廃止される懸念が生じる。特に太陽光や風力など再生可能エネルギー(再エネ)が自然条件などにより発電できないときの調整力として欠かせない火力発電所は、膨大な建設費用だけでなく開発計画から運転開始まで10年程度かかるとされ、安定的な資金調達の仕組みづくりが求められていた。
容量市場はそうした課題に対処するために創設された。アメリカ、イギリス、フランスなど諸外国でもすでに、容量市場は導入されている。

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