今さら聞けない「再生プラスチック」
身の回りに溢れるプラスチック製品。身近なビニール袋やペットボトル、食品の包装から、衣料品、文具などの小物、果ては建築資材などの大型なものまで、プラスチックは私たちの生活に無くてはならない存在となっています。今回は廃棄されたプラスチックを再利用する再生プラスチックについてご紹介します。
現代社会になくてはならないプラスチック

プラスチックとはざっくり言うと石油由来の合成樹脂。一度形成すると、あとから力をくわえても形がそのまま保たれる可塑性を持ち合わせることから、ギリシャ語のplastikos(可塑性のあるもの)を語源としています。
ただ便利な一方で不法投棄や海洋汚染といった環境や生態系への影響が大きな問題となっています。木材をはじめ、自然界に存在する有機物は微生物によって分解されますが、プラスチックは微生物では分解されないため、自然界に投棄された場合、紫外線で劣化し粉々になりマイクロプラスチックになったり、野生動物を傷つけたり、餌と間違えて食べてしまったりと問題になっています。
プラスチックをなるべく使わない生活を心がけることも考え方のひとつですが、使用後はしっかりと回収・廃棄することで自然界への流出を防ぎ、そして再生プラスチックとして新たな製品に生まれ変わらせることもできます。
再生プラスチックとは

再生プラスチックとは、一度使用して廃棄されたプラスチックを原料の一部として、新たに作られたプラスチック製品のことを指します。プラスチックは、原料のほとんどが石油のため、天然資源を大量に消費する上に、その製造過程で多くのCO2を排出します。再生プラスチックは廃プラスチックを資源とすることで原油や天然ガスといった天然資源の消費を抑制します。そして廃棄物を減らすことで焼却処分量が減るのでCO2の削減にも寄与します。
再生プラスチックの製造では、廃プラスチックの種類や用途に合わせ、主に「マテリアルリサイクル」や「ケミカルリサイクル」といったリサイクル方法が採用されています。
●マテリアルリサイクル
廃プラスチックを高温で溶かし原料に戻して新たなプラスチック製品を作る方法。国産の資源を確保できる一方で、さまざまな種類のプラスチックが混ざると品質が落ちるため企業や工場など種類のまとまった事業ごみが適している。
●ケミカルリサイクル
もともと石油でできているプラスチックを化学的に分解して石油に戻したり、ガス化させたりして再利用する方法。品質の劣化が少なく、汚れや異物のある廃プラスチックでも高品質な資源として再生できる。
プラスチックが抱えるCO2排出問題

2050年カーボンニュートラルの達成に向け、CO2排出量の削減は喫緊の課題です。日本のCO2排出量11億794万トンのうち6018万トンがプラスチック製品の製造を含む科学分野からの排出。さらに3100万トンがプラスチック関連の製造で排出されているので全排出量の半分を占めることになります。
また、プラスチックを再生する過程でもCO2は排出されます。廃プラスチックの燃焼によって年間1592トンのCO2が排出されていますが、うち87%がサーマルリサイクルによる排出です。サーマルリサイクルは廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを発電や暖房に利用することですが、今後は焼却する量を減らし、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの割合を増やしていくことが求められます。
参考:2020年度(令和2年度)温室効果ガス排出量(確報値)について(環境省)
再生プラスチックは身近なところに

ペットボトル飲料を買ったときにボトルにPETやPEという表示を見たことのある方も多いのではないでしょうか。こちらで紹介するプラスチックは再生プラスチックが使用されていることが多いです。
PET
「PET」はペットボトルにも使われている身近なプラスチックです。ポリエチレンテレフタレート(POLY ETHYLENE TEREPHTHALATE)の頭文字から、「PET」と名付けられています。強度と透明性にすぐれた素材で、ポリエステルとも呼ばれ、ペットボトルや繊維製品に使用されます。再生されたものは再生PETと呼ばれます。
PE
「PE」とは、水素と炭素から構成される合成樹脂、ポリエチレン(POLY ETHYLENE)のことです。柔軟性と耐水性にすぐれ、主にポリ袋、食品の保存容器、食品用ラップ、人工芝などに使用されています。2022年のデータでは、プラスチックの中で最も多く生産されているのがこのPEでした。
PP
「PP」は、ポリプロピレン(POLYPROPYLENE)のこと。PEと同じく水素と炭素から構成される合成樹脂で、耐熱、耐薬性があり、容器やバケツなどの安価なプラスチック製品から自動車部品、医療用機器など多くの製品に使用されています。
身の周りにあるプラスチック製品にどれが記載されているか、その製品の用途も考えながら探してみるのもいいですね。また、ペットボトルは紹介したとおりボトルとキャップ、フィルムとパーツによって使用されているプラスチックの種類が異なります。分別を促しているごみ箱もあるので高品質なリサイクルのために覚えておいて損はないでしょう。
今後の課題
ペットボトルをはじめ身近にある再生プラスチック。とはいえプラスチックの再生率は25%(2023年)とまだ多くないのが現状です。回収後の選別、洗浄、加工と工数が多い上に回収された膨大なプラスチックは種類や劣化具合がさまざまで品質の均衡をたもつのが難しいためです。今後再生率を上げるためにAI技術を活用した選別システムや加工に関わる技術の向上に期待が高まりますがまだまだ過渡期。この先も限りある資源と自然環境を守りながら便利なプラスチック製品を使うために、まずは所定の場所へ廃棄するなど、適切なプラスチックの回収・処理を徹底していきましょう。
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