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  • 企業活性化教育研究所の長尾光雄所長が、企業研修時に経験した「自利利他」にまつわるエピソードを紹介。環境市場新聞創刊時から連載する人気コラム

“自分ほど手強い敵はいない。自分に勝つ者は無敵だ” ユダヤの聖典『タルムード』の言葉

因果倶時(いんがぐじ)-6-

 ”このチームのメンバーは、自分に負けているな、だから自分の能力に挑戦できないんだ”と私は思い、リーダーの金丸さんに言った。「チームの業績が悪くなっています。原因は何ですか? 何が原因だと思いますか?」。金丸さんは「原因は20も30もあります」と、堂々と悪びれもせずに言い、あげた原因は他責ばかりだった。「では、その中で一番大きな原因をあげて、それを撲滅する対策を考え、実行したことはありますか?」と聞くと、何の答えも返ってこなかった。
 今まで駄目な理由ばかりに焦点をあて、どうすれば、改善、改革できるかを本気で考え実行してこなかったのだ。金丸チームはリーダーを含めて全員が否定思考で、他に責任を転嫁していた。
 私は、これ以上放置できないと考え、厳しく叱った。「問題はあなたたちの心の中にある。否定思考で問題を他責にし、本気で取り組んでいない。自責で考えろ。いつまで甘えている。仕事をなめるな。いい加減な仕事の仕方は他のチームにも悪影響を及ぼす。今までの仕事の姿勢を他のチームに謝りなさい。そこからスタートだ」。私の言葉を聞いた金丸チームのメンバーは、「申し訳ありませんでした」と、思った以上に大きな明るい声で謝った。その後、チームの業績は上がっていった。
 業績改善の原因を聴くと「考え方を肯定思考に変え、どんな仕事も自分たちの能力を伸ばしてくれる仕事だと思い本気で取り組みました。そしてメンバー全員で売上向上の方法を考えたり、売れているチームの真似をしたりしました。きっかけは長尾先生から全社員の前で叱られたことです。今のままではいけないと思ったのです」。
 私が変えたのではない。彼ら自身が、私が言ったことを取り入れてくれたのだ。自らを変えるのは、自分自身でしかできない。因果倶時だ。
 問題は自分たちの心の中にあると思い、彼らは考え方を変えたのだ。

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