排出量4年連続減少-温室効果ガス 2017年度速報値発表

 2018年11月、環境省と国立環境研究所は、2017年度の国内温室効果ガス排出量の速報値を公表した。総排出量は二酸化炭素(CO2)換算(以下同)で12億9400万トンだった。再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大などが寄与し、2014年度から4年連続の減少となった。

 2017年度の排出量は前年度と比べて1.0%(1200万トン)減少した。日本は2030年度に2013年度比で26.0%減、2005年度比で25.4%減の削減目標を掲げている。各基準年に対する2017年度実績は、2013年度比が8.2%(1億1500万トン)減、2005年度比が6.2%(8600万トン)減。目標到達までまだ先は長いが、直近4年に限れば排出量は着実に減少している。
 排出量が減少した主な理由は、太陽光発電といった再エネの導入拡大や原子力発電所再稼働によって非化石燃料発電の割合が増加していること、省エネ活動の普及によってエネルギー消費量が減少していること、などがあげられている。
 エネルギー起源CO2排出量の主な内訳は、工場など「産業部門」が4億1300万トンで前年度比1.5%(640万トン)減、自動車など「運輸部門」が2億1300万トンで同0.9%(190万トン)減、商業やオフィスなど「業務その他部門」が2億600万トンで同2.7%(570万トン)減、「家庭部門」が1億8800万トンで同1.8%(320万トン)増だった。家庭部門の増加は、前年度より冬の気温が低く暖房で石油製品の使用が増えたことなどが要因。

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