「エネルギー白書2022」脱炭素の動向も

燃料価格や電気代、世界的高騰を分析

 2021年度のエネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)が2022年6月、閣議決定され公表された。ウクライナ危機や資源高などの影響、脱炭素化に向けた動向といった情勢を分析している。

 エネルギー白書は法律に基づき政府が国会に提出する報告書。例年3部構成でまとめられ、第1部でその年の動向を分析している(第2部はデータ集、第3部は施策集)。そこでは今回、福島復興、脱炭素、エネルギーを巡る不確実性の3テーマを取り上げた。
 不確実性の章では、化石燃料価格の高騰に触れている。コロナ禍からの経済回復による需要増、世界的な天候不順や自然災害、構造的供給不足などが複合的に作用して価格が上昇し、そこにウクライナ危機が加わった結果と分析。
 ただ、世界的には高騰しているものの日本の上昇幅は相対的に低いとして主要国のエネルギー価格の推移を示した。その中の電気代では2019年1月を100としたときの2022年3月の値が、イタリアで177、欧州連合(EU)で140だったのに対し、日本は110で1割増にとどまっている。
 福島復興に関する章では、1日540立方㍍あった汚染水発生量を130立方メートルに減少させたといった廃炉作業の進捗などを報告。脱炭素に関する章ではカーボンニュートラル宣言国が2021年11月時点で154ヵ国・1地域に拡大したなど気候変動対策の動向を追っている。

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