ネガティブなコメント/情報社会のメンタルヘルス<2>
内外2つの集団を意識して対応
SNSやネット掲示板、投稿機能のあるニュースサイトなどでしばしば見かける「ネガティブなコメント」。ときには誹謗中傷としか思えないような不快な内容もあります。責められている対象が、愛用している商品や好感を抱いている人物だったりした場合には、怒りや敵意、不安、恐怖といった感情が生じてしまうでしょう。
社会心理学では、自分が所属感を持つ集団を内集団、それ以外の集団を外集団と呼んでいます。2つの集団は、客観的な基準ではなく個人のこころの動きで区別されるものです。
内集団にはその集団への愛着も傾けられるので「結束力を高め、繁栄が期待できる」メリットがあります。その一方で優劣の差がなくても内集団をほかより高く評価したり、外集団に対して差別的な態度をとってしまう傾向があるといわれます。また、内集団が中傷されると、まるで自分自身への悪口のように感じてしまうこともあります。
前述のように愛用の商品や好感を持つ人物などがあれば内集団は無意識のうちに構成されます。そこに向けられた「ネガティブなコメント」は外集団からの攻撃と感じてしまうのです。すると私たちのこころには、怒り、敵意、不安、恐怖など負の感情が生じます。この感情をいつまでも自分の中にとどめておいたり、頻繁に生じてしまったりする状態はメンタルヘルスにとって好ましくありません。
そんな「ネガティブなコメント」を目にしてしまうリスクがありそうなときには、前回紹介したSNSなどから一度距離を置く「デジタル・デトックス」を試みるのが1つの手段です。また、自分がコメントを書き込むときには、その発言が誰かにとって外集団からの攻撃のように受け取られないかどうかに注意を払うことも必要でしょう。
好ましくないマイナスの感情や不要な対立などを避けるため、日頃から内集団・外集団というこころの動きがあることを意識しておきましょう。それが自分自身の客観視につながり、冷静な対応を導いてくれます。
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