恵方巻の季節 ~季節のイベントと隣り合わせの食品ロス~
2月3日は節分。旧暦では大寒が過ぎ、1年のはじまりの立春を迎える前日に無病息災や1年の幸福を祈る行事です。豆まきをするほか、恵方巻を食べるという方も多いでしょう。そしてこの恵方巻で毎年話題になるのが食品ロスの問題です。季節ごとのイベントが多いわが国と食品ロスの関わりについて紹介します。
食品ロスとは

食品ロスとは、本来食べることができるのにもかかわらず捨てられてしまう食品を指します。農作物の生産や加工の現場で発生する規格外の作物や、運送中に傷んでしまい廃棄となるものなど、小売に至るまでのサプライチェーンのなかで生まれるロスのことを『フードロス』。小売店での売れ残りや飲食店での食べ残し、一般家庭で消費しきれずに廃棄する食材など、消費者から生まれるロスを『フードウェイスト』と呼びます。
食品ロスはこのフードロスやフードウェイストなど、生産の現場から私たち消費者の食卓に並び消費されるまでのあらゆる段階で発生する食品のロスの総称。日本では1年間で約464万トン(2023年度 農林水産省発表)もの食品ロスが出ており、国民1人あたりにすると年間37kg、1日あたりお茶碗1杯分のごはんの量に相当します。
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恵方巻が抱える食品ロスの問題とその背景

恵方巻の大量廃棄で話題になった食品ロス。近年では恵方巻を予約制にしている企業が多いですが、2023年の節分では全国のスーパーやコンビニエンスストアで256万本もの恵方巻が売れ残って廃棄され、12億円もの経済損失が生まれたと推計されています。食品を廃棄することは単純に食品をムダにするだけでなく、製造から廃棄までの過程で多くのCO2が排出されることにもなり、環境への負荷につながります。この恵方巻の食品ロスが起こった背景には、各企業の節分商戦による過剰な生産で需要と供給にズレが生じたことや、企業の収益目的による文化の多様化が挙げられます。数十年前まで恵方巻は関西圏を中心とした食文化でしたが、全国展開するスーパーやコンビニエンスストアが販売を促進したことで全国に定着しました。さらに正月や雛祭りといった日本古来のものにくわえ、クリスマスやハロウィーン、バレンタインなど海外から入ってきたイベントも多く、それぞれと「食」がむすび付きやすい文化の日本では食品ロスが発生しやすい環境にあるともいえます。
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企業の取り組み

では、そんな食品ロスを減らすためにどんな取り組みがされているのでしょうか。大手コンビニエンスストアの取り組みを例に挙げます。
| 大手コンビニエンスストアでの主な取り組み内容 ・カタログ、ポスター、および WEBサイト や SNS アカウントを活用した予約購入の呼びかけ ・ポイント還元などの特典による予約購入促進 ・予約購入(事前発注)による製造で製造過程での食品ロスを防止 ・顧客のニーズに合わせた選択、予約購入の動機付けができるよう具材や価格帯に多様性を持たせる ・恵方巻販売期間中は通常商品の製造を一部中止し、通常商品の食品ロスを抑制。また来店客への声かけや販売推奨期限の迫った商品の値引き販売 参考:農林水産省 恵方巻きのロス削減に向けた取組事例(2025年) |
このように予約販売に力を入れ、事前に需給バランスをとるよう努める企業が増えています。その他、前年の販売と廃棄実績から適正な製造計画を行うことや、ハーフサイズの商品を増やし各家庭で食べきれる量を販売するといった工夫をする小売店もあります。
こうした取り組みを通じて、企業は短期的な売り上げだけではなく食品ロス削減という社会問題に向き合い、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12『つくる責任つかう責任』へ貢献することが求められます。
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おわりに

四季折々のイベントやその季節ごとの食事を楽しむことは日本ならではですね。節分の恵方巻に限らず、消費者である私たちも極力事前に予定を立て予約販売を活用する、そして購入したものは食べきる。企業と消費者が一体となり食品ロスを減らす努力をすることで環境への負荷や地球温暖化、資源のムダ使いの抑制につながります。また、こうした季節ごとの商品を購入する時期は食品ロスについて知る機会にもなります。普段の食事や食品の購入についても家族やお子さまと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
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