CO2濃度最高値更新止まらず
WMO/気象庁「温室効果ガス年報」
世界気象機関(WMO)の要請により温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)を運営する気象庁は2023年11月、二酸化炭素(CO2)など3つの主要な温室効果ガスの2022年の大気中の世界平均濃度が、いずれも観測史上最高を更新したと発表した。中でもCO2は解析期間の1984年以降、毎年最高値を更新し続けている。
この結果はWMOの発行する「温室効果ガス年報第19号」で公表された。
日本の気象庁が運営を託されているWDCGGは、世界中で観測された温室効果ガスのデータを収集・解析し提供している国際機関。報告内容は国際会議の場でも利用され気候変動対策の基礎資料になっている。
最高値を更新した主要な温室効果ガス3種のうち最も大きな比率(約64%)を占めるCO2の濃度は、417.9±0.2ppmで、前年から2.2ppm(0.53%)増加した。最近10年の平均年増加量は2.46ppmになった。産業革命前(工業化以前)の濃度の仮定値は278.3ppmで、2022年はその約1.5倍に達した。年報では増加原因を「主として化石燃料の燃焼とセメント生産からの排出による結果」としている。
CO2に次いで約19%と比率の大きいメタン(CH4)の濃度は、1923±2ppb(「ppb」は大気中の分子10億個中、「ppm」は同100万個中にある対象物質の個数を示す単位)。前年から16ppb(0.84%)増加した。工業化以前は729.2ppbで、約2.6倍になっている。約6%の比率で3番目に多い一酸化二窒素(N2O)の濃度は、335.8±0.1ppb。前年から1.4ppb(0.42%)増加。工業化以前の270.1ppbから約1.2倍に増えている。
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