再生可能エネルギーってなんだろう?
ニュースなどでよく耳にする「再生可能エネルギー」は、地球にやさしいエネルギーです。再生可能エネルギーを使った発電は環境への負担が少ないことから、かねてより注目を集めています。 今回は、持続可能な社会の実現に欠かせない再生可能エネルギーを詳しく解説します。
日本の「電源構成」を見てみよう
まずは、現在どの程度再生可能エネルギーが活用されているのかを知るために、日本の電源構成のグラフを見てみましょう。
電源構成とは
日本国内全体でどのような発電方法によって電気がつくられているかと、その発電量の割合のこと。
日本の電源構成

日本で最も発電量が多いのが火力発電(67.5%)です。しかし、火力発電は発電時にCO2を多く発生させるため環境への負担が大きいこと、燃料となる化石燃料の量には限りがあることから、火力による発電量を減らすことが世界的な目標となっています。
火力発電とは
石炭や天然ガス、石油などの化石燃料を燃やした熱で水を蒸発させ、その際に発生する蒸気の力でタービン(発電機)を回す発電方法のこと。化石燃料を燃やす際にCO2が排出されるため、環境への負担が大きい。

再生可能エネルギーとは?
火力発電を減らすために割合を増やしていきたいのが再生可能エネルギーです。
再生可能エネルギーとは、太陽光や風、水など自然界に常に存在するエネルギーのことです。風や水を使った発電では火力発電と同じように発電機を動かして電気を作り出します。しかし、火力発電のように燃料を燃やすのではなく自然に吹く風や流れる水の力を利用しています。太陽光はその光エネルギーを直接電気エネルギーへ変換しているためCO2が発生せず環境への負荷が少ないのです。さらに、化石燃料と違いエネルギーが枯渇する心配がないことも大きな特徴です。
2024年時点で再生可能エネルギーから作られた電気は23.0%にのぼります。2010年時点ではたった9.5%だったため、着実に増加していることがわかります。私たちは、実はすでにたくさんの再生可能エネルギーを使って生活しているのです。まずは、現在どの程度再生可能エネルギーが活用されているのかを知るために、日本の電源構成の推移のグラフを見てみましょう。
電源構成の推移

ただし、この数値も道半ば。日本のエネルギー政策の指針となる「第7次エネルギー基本計画」では、2040年までに再生可能エネルギーの割合を40~50%ほどまで上げることを目標としています。
また、再生可能エネルギーが増えるにともない火力発電の割合が減少し、化石燃料の必要量も減ります。燃料資源に乏しく化石燃料を外国からの輸入に頼っている日本にとってはエネルギー自給率の改善にもつながります。
2024年のエネルギー目標

再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーの必要性について説明しましたが、すべての電気を再生可能エネルギーによる発電で賄わないことにはいくつかの理由があります。ひとつは、再生可能エネルギーのもととなる太陽光や風の量は天候などの自然条件に左右されるものであり、当然発電量についてもコントロールが難しい点があげられます。また発電設備の適地選定や建設の難しさも理由となっています。ここで、代表的な再生可能エネルギーの種類とそのメリット、デメリットを見てみましょう。
| 発電の種類 | 発電方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 太陽光発電 | 太陽光をパネルで受けて電気に変換 | CO2排出がほぼゼロ | 発電量が天候や時間帯に左右されるため不安定 |
| 水力発電 | 水の流れや落差でタービンを回す | 発電量が安定している 出力調整がしやすい | ダム建設が必要なためコストが高く環境への負担も大きい 適地が少なく新設が難しい |
| 風力発電 | 風で風車を回してタービンを動かす | CO2排出がほぼゼロ 大規模発電が可能 | 風がないと発電ができない 騒音・環境問題で設置場所が限られる |
| 地熱発電 | 地中深くのマグマの熱でできた水蒸気でタービンを回す | 天候に左右されず24時間安定して供給可能 | 開発コストが高い 条件の合う場所が少なく新設が難しい |
| バイオマス発電 | 木材・食品廃棄物などを燃やして発電 | 天候に左右されない廃棄物を活用できる | 発電効率が悪い 燃料の調達にコストがかかる |
一方、火力発電はCO2の排出や燃料調達の問題はあるものの、燃料さえあれば安定的に電力供給が可能なため、完全になくすことは難しいのが現状です。電力の安定供給、環境負荷低減をどちらも実現するためには、1つの発電方法に頼らず複数の電源を組み合わせる「エネルギーミックス」が重要なのです。
再生可能エネルギーの発電を止めるとき
再生可能エネルギーによる発電量がたくさんあっても、電気が余るときには発電を止める必要があります。なぜなら、電気は貯めることが難しく、電気の需給バランスが崩れると停電が起きてしまうため、需要(電気を使う量)と供給(発電量)を同じにする「同時同量」が大切だからです。
こちらもチェック
供給過多の際に発電を止めることを「出力制御」といい、太陽光発電の発電量が多い昼間の時間帯で特に頻繁に発生します。出力制御は、まず、停止と起動の調整がしやすく環境への負担も大きい火力発電の停止と、揚水発電のための水のくみ上げを行います。その後、電気が足りていない地域への送電を行います。それでもなお供給過多が続く場合、再生可能エネルギーでの発電を止めることになります。この順番は電気の安定供給や環境への負担などさまざまな事情を考慮して決められた「優先給電ルール」によって決められています。
有線給電ルール

バイオマス、太陽光、風力の発電を止めるのはもったいないと思われるかもしれません。しかし、水力、原子力、地熱発電のような「長期固定電源(ベースロード電源)」を止めてしまうと再稼働に時間がかかるため、電気が足りなくなったときに発電ができず、結果的に火力発電を増やさざるを得ない事態になりかねません。
私たちがやるべきこと
少し規模の大きな話が続きましたが、まず私たちがやるべきことは、省エネをすること。使っていない部屋の電気を消す、空調温度を冬は低く・夏は高く設定する、冷蔵庫は開けたらすぐ閉めるなど当たり前の省エネ行動をとってムダな電気やエネルギーの使用を減らしていきましょう。
このほかに、再生可能エネルギーを効率的に使う方法もあります。それは、電力が余っている時間帯に積極的に電気を使って、少ない時間帯は使用を控える「デマンドレスポンス(DR)」の実践です。例えば、電気が余りそうなときに掃除機をかける、バッテリーを充電するなど、決まった時間でなくてもよい行動に電気を使えば、その分の太陽光発電を止めずに済みます。さらに、再生可能エネルギーの発電量が少ない時間帯に使う電気が減ることで、火力発電の量を減らすことにもつながります。

電力が余っているかどうかは、電力卸値を見るとわかります。電気が余っている時間帯は安く、少ない時間帯は高くなります(一般的なご家庭の電気料金には影響しません)。自分が住んでいる地域の価格を参考にDRを行うことで、積極的に再生可能エネルギーを使うことができます。
電気の価格は「環境市場」でも確認ができますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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