環境価値、全証書の取引始動 JEPX市場非FIT非化石証書加わる

 電力の売買が行われている日本卸電力取引所(JEPX)で2020年11月、2020年度分第2回非化石価値取引市場が開かれ、初めて再生可能エネルギー(再エネ)固定価格買取制度(FIT)に由来しない非FIT電源の非化石証書が取引された。この市場にFIT対象外の電源が加わったことで、電源が持つ電気の価値と環境価値は完全に分離され、環境価値はすべて証書で取引できるようになった。非FIT非化石証書(再エネ指定)取引の約定量は、約6.3億kW時、約定価格は1.20円/kW時だった。
 石炭や石油などの化石燃料を使用せず温室効果ガス排出がほぼない再エネや原子力によるものを非化石電源といい、その環境価値を証書化して売買するのが非化石価値取引市場だ。2018年5月にスタートしたが、これまでは設備認定の制度が整っていたFIT電源を先行して扱っていた。
 証書の買い手となる小売電気事業者は、2030年度に非化石電源比率を44%以上にするよう法律で義務づけられている。証書の購入分は、電源比率の報告に組み込むことができる。

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