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図解入門ビジネス 最新 電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]|エコブックス

「発電機とは」から「次世代送配電網」まで

 電気をつくる発電所、需要地まで運ぶ送配電網、運営する制度、それらの総体が電力システムと呼ばれるものだ。かつてこの事業は、国の政策により地域ごとの大手電力会社が一手に担ってきた。それが現在、電力市場の自由化、再生可能エネルギー(再エネ)導入をはじめとする脱炭素化の流れ、安定供給の保持といった多くの課題に対応するべく改革が進められている。
 ただその内容は、改革に伴い著しく複雑化している。すんなり理解するのが難しいその基本と仕組みをかみ砕き、わかりやすく解説したのが本書である。
 〝発電機とは何らかの力で磁石を回転させることで、磁石の周囲に巻かれたコイルに電流を流す装置〞(12頁)といった説明や、新電力が送電線を利用する制度の解説では〝電気を「送る」ことを一般送配電事業者に「託す」わけで、これを託送といいます〞(114頁)などの平易な文章が続く。いくつかの図解に、もう少し説明がほしいと思える専門的なものが含まれるが、理解できる部分だけを読み進めても、電力システムについての十分な知識は得られるだろう。
 送配電網における基幹系統と配電系統の区分け方、卸電力市場で価格が高騰する要因、2050年にカーボンニュートラルを実現したときの想定電源構成、次世代の送配電網など、本紙・環境市場新聞を読むうえでも有用な情報が多数ある。

秀和システム 2,090円(税込)
木舟辰平 著
東京都八王子市出身。一橋大学社会学部卒。編集プロダクション、出版社勤務を経て、2004年から10年まで月刊エネルギーフォーラム記者として電気事業制度改革や原子力政策などエネルギー問題を取材。社会人大学院博士前期課程、物流専門紙記者を経て、14年からガスエネルギー新聞記者として電力政策等を担当。


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