
味わい尽くす旬の新茶
*本記事は環境市場新聞80号掲載記事です。

5月になれば新茶の季節。お茶の生産地といえば静岡や鹿児島などが有名ですが、日本では東北から沖縄まで、100を超える種類のお茶が生産されています。気候に合わせて収穫時期はばらばらですが、新茶とは一般的に、その年の一番初めの収穫時期に摘み取ったお茶のこと。一番茶とも呼ばれます。新茶の特徴は爽やかな香りと強い旨みです。冬に蓄えられた旨み成分のテアニンをたっぷりと含んでいるのです。
一番茶の頃を過ぎ、次の収穫時期に採れるものを順に二番茶、三番茶といいますが、春に摘む一番茶よりも二番のほうが夏の太陽を長く浴びて育つのでカテキンが多くなります。カテキンはポリフェノールの一種で、渋みとすっきりとした味わいを生みます。
新茶のおいしい入れ方
新茶のおいしさを引き出すコツは、ぬるめのお湯でじっくりといれること。お茶は入れ方やお湯の温度で味わいが変わります。70℃くらいのお湯で2分ほどゆっくりと時間をかければ旨みと甘みがしっかりと抽出されます。高温のお湯なら渋みや茶葉の香ばしさを感じるものになりますよ。
またこれからの暑い季節は水出しもおすすめ。冷水に茶葉を直接入れて冷蔵庫で2~3時間ほど置けば、お茶の旨みがしっかりと出て、渋みの少ない冷たいお茶が簡単にできます。
茶殻の有効活用とは
そうして飲み終わったあとの茶殻も有効活用しましょう。料理でのアレンジは、茶葉といっしょに醤油やみりんなどの調味料で煮だしたつくだ煮。茶葉とお米を炊飯器で炊いた炊き込みご飯もいいですね。どちらもお茶の栄養を残さず味わえる一品です。また産地ならではの食べ方で収穫したての新茶を使った天ぷらが人気と聞きました。薄く衣をつけて短時間で軽く揚げ、塩をつけていただきます。山菜のようなほのかな苦みとサクサクとした食感を楽しむことができるようです。

そのほか茶殻は室内の掃除などにも使えます。湿った茶葉を床や畳に撒いてほうきで掃くと、茶殻がゴミをからめとってくれるのでほこりが立たずにすっきりきれいになります。茶殻を乾燥させてから、臭いの気になる冷蔵庫や魚焼きグリルなどに置くと殺菌や脱臭効果も期待できます。
おばあちゃんは茶殻をティーパックなどにまとめてお風呂に入れ「新茶風呂」を楽しんでいます。肌をしっとりと保湿してくれるだけでなく、新茶の香りでとってもリラックスした入浴タイムになりますよ。

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80歳。エコな暮らしとお爺さんのことが大好き。趣味はお散歩と家庭菜園と、みなさんにエコ知識をお伝えすること。おばあちゃんの手にかかると、野菜の皮や茎の部分もおいしいお料理に変身する。好きな言葉は「温故知新」。
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