脱炭素移行などコロナ後を再設計 日本主催の閣僚級会合で認識を共有
環境省は、新型コロナウイルスと気候変動という2つの危機を乗り越えるには世界各国が協力し連携した取り組みが不可欠であるとして閣僚級会合を開催した。会合に合わせ、コロナ禍からの復興や気候変動・環境対策に関する各国の取り組みを共有するウェブサイト(オンライン・プラットフォーム)も立ち上げている。ここでは各国閣僚、国際機関、企業などからのビデオメッセージが掲載され、閣僚級会合開催日には国連の事務総長もあいさつを寄せた。
会合では「リデザイン(再設計)と3つの移行」というコンセプトへの支持が得られた。ここでうたうリデザインとは、単に新型コロナで打撃を受ける前の社会に戻すのではなく、持続可能で強靭な社会経済のシステムに再設計すること。それには「脱炭素社会」「循環経済」「分散型社会」という3つの要素への移行を基軸に活動する必要があるとした。
「脱炭素社会への移行」では、新型コロナからの回復期に見込まれるエネルギー需要の増大を想定し、再生可能エネルギー(再エネ)の拡大、水素活用などのエネルギー分野の脱炭素、エネルギー消費プロセスでの効率化などを進めていくことが喫緊の課題。「循環経済への移行」では、経済復興と環境対策を同時に進め、環境と経済の好循環をもたらすことが重要だとした。そのための施策に、廃棄物の循環利用、ビジネス戦略としての資源循環活動、自然資源の持続可能な利用などを挙げている。「分散型社会への移行」では、一極集中の緩和で感染症対策にもつながるよう、テレワークなどの新たな働き方、デジタル化、自立分散型エネルギーの導入などの推進が重要とした。
今回立ち上げたオンライン・プラットフォームは閣僚級会合後も継続的に最新動向を公開していき、COP26への機運の高まりを目指していく。
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