環境産業市場規模再び拡大

環境省推計2021年分 コロナ禍による縮小から脱却

 環境と経済に関する情報を随時公表している環境省は2023年6月、環境産業の市場規模や雇用規模などの2021年における推計をまとめ、公表した。市場はコロナ禍の影響を受け落ち込んだ前年から増加に転じている。

 2021年環境産業の市場規模は約108.1兆円だった。前年比で2.3%の増加、2000年と比べ約1.7倍に成長している。2010年に世界的な金融危機の影響による落ち込みから回復して以降増加傾向にあったが、2020年はコロナウイルス感染症の影響を受け減少、今回再び拡大に転じた。
 全産業に占める環境産業の割合は10.5%。2000年は6.6%で、国内の経済成長に与える影響は大きくなっている。雇用規模は約279.7万人。前年比1.8%の増加で、2000年との比較では約1.4倍になった。推定される経済波及効果は約205.4兆円。前年比約2.0%増、2000年比約1.8倍と算出した。
 分野別の推計では「環境汚染防止」が自動車排気ガス浄化触媒の増加などで約11.3兆円の市場規模になった。「地球温暖化対策」は蓄電池が大きく増加し約35.3兆円、「廃棄物処理・資源有効利用」はコロナ禍で減少していた建設リフォーム・リペアが増加に転じ約53.3兆円、エコツーリズムの低迷などで唯一前年度比減少(1.3%減)の「自然環境保全」は約8.1兆円だった。



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