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  • 東日本大震災から復興への歩みをみせる被災地の企業や日本テクノの取り組み

相次ぐ受難にもひるまず V字回復目指すScene 44

不二工芸印刷株式会社は埼玉県川口市にある創業71年の歴史ある印刷会社。窓付き化粧箱などの商品パッケージやプロモーションツールといった特殊加工の必要な印刷を得意としており、これまで順調に成長を遂げていた。しかし台風19号が関東を駆け抜けた昨年10月12日、同社は床上浸水約70cmの被害を受けた。高圧受変電設備のある電気室をはじめ、印刷機が3台、打抜機3台、そして裁断機が水に浸かってしまった。
当時の状況について取締役工場長の杉山知己さんは「工場内が地面より低く、雨水が流れ込んでしまいました。翌日には照明などの電灯設備の受電は回復しましたが、印刷ラインはどこから手をつければよいかわからない状態です。メーカーの担当者を呼び、現状を整理して対策を考えました」と話す。最終的に印刷機と打抜機の各1台は復旧の見込みがないため交換し、他の機器は部品交換で対応することとなった。

高圧受変電設備が浸水した

「完成品や仕掛品、原材料も被害に遭い、被害総額は2億円を超えました。当時は年末商戦に向けた繁忙期で、多くの注文を受けていたため被害額も膨らみました。浸水後は皆で濡れた原料の処分や掃除などに取り組み、ようやく機械を動かせるようになったのが年末の12月です。それまで依頼を受けていた分はすべて他社へ外注し、なんとか納期に間に合わせました」。同社は約2000万円をかけ、防水工事を実施。2月に工事が完了し、これで台風シーズンも安心と思っていたところに今度は新型コロナウイルス感染症の流行が直撃した。

取締役工場長の杉山知己さん

「これまであった土産物などの注文がなくなり、5月現在、労働時間を短縮して対応しています。ただ、暗いニュースばかりではありません。実は4月より当社は東証一部上場企業のグループ会社になりました。社長が高齢のため事業の譲渡先を探していましたが、引き受け先が見つかったのです。すでにグループ会社で使っている印刷機器の当社への移設が決まっており、今は新技術習得の期間と捉え、勉強に励もうと社員に伝えています。新型コロナウイルスが収まり、わが社の業績をV字回復させられるよう、皆で力を合わせてがんばります」。

こぼれ話

新型コロナウイルスで緊急事態宣言が出される中、取材は電話とメールでのやり取りとなりました。写真撮影も不二工芸印刷さまにお願いしたところ、快く引き受けてくださりました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。
今回の取材で当社はお客さまに恵まれていると心から感じました。
不二工芸印刷さまの一日も早いV字回復を心より願っております。

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