【環境関連の組織・機関】第8回/国連食糧農業機関(FAO)

 SDGs(持続可能な開発目標)の17ある目標で1番目に位置づけられているのが「貧困をなくそう」。そして2番目は「飢餓をゼロに」。今回は、世界の人々の栄養や生活水準の向上を目指し、SDGsの筆頭に挙げられた2つの重要な目標に密接に関わる国連の専門機関を見ていく。
※本記事は環境市場新聞第68号(2022年4月発刊)に掲載されたものです。


人類の栄養と生活水準の向上を
目指す国連の専門機関

 正式名称は国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations)。略称はFAO(ファオ)。1945年10月16日に設立され、毎年この日は、「世界食料デー」として各地で記念行事が開催される。人々が摂る栄養や生活水準の向上を目指し、関連する分野の施策を通じて世界経済の発展と人類を飢餓から解放することを目的にしている国連の専門機関だ。


 2021年12月現在の加盟国は196ヵ国およびEU(欧州連合)。日本の加盟は1951年。本部はローマに置かれ、ほかに地域事務所や支所などがある。6ヵ所ある連絡事務所のうち1つは1997年に日本の横浜市に設置された。総職員数は約1万1000人(通常予算による専門職以上は約1200人)。
 最高意思決定機関は全加盟国が参加する「総会」。原則2年ごとに開催される。実質的運営機関となるのは、総会で選出される49ヵ国(任期3年)で構成する「理事会」。ここで事業計画や予算などが審議される。理事会の下部組織には、計画、財政、憲章法務の3つの常設委員会と、農業、林業、水産、商品問題の4つの技術委員会が置かれている。また、国連世界食糧計画(WFP)などと共同で「世界食料安全保障委員会」も運営する。エリアごとの活動を検討するのは地域総会で、アジア・太平洋、ラテンアメリカ・カリブ海、アフリカ、近東、ヨーロッパの5つがあり、これも隔年で開催される。
 この組織で進められる主な活動は、「開発援助」「情報の収集と提供」「政策提言」「国際的な議論の場の提供」の4つ。具体的には、鳥インフルエンザや砂漠バッタ対策への技術協力、食料や農業に関する調査や統計とその公表、国際植物防疫条約など国際条約の策定、国際栄養会議や世界食料サミットなどの開催、といった事業がある。
 特に開発援助では、食料安全保障の実現に向けて、世界各地で農業、林業、水産業、栄養改善などに関する数千のプロジェクトの実施や管理を行っている。


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