環境トピックス

環境問題を考えるうえで外せない重要トピックをお届けします。

排出量取引への参加を義務化

改正GX推進法成立年10万トン以上が対象

 グリーントランスフォーメーション(GX)推進法と資源有効利用促進法を改正する法律が2025年5月、参議院本会議で可決、成立した。二酸化炭素(CO2)の直接排出量が年10万トン以上の企業に対する排出量取引への参加や一定の再生材利用を義務づける内容。2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを目指す施策の一環として実施される。

 排出量取引は2026年度から開始する。参加企業は政府から割り当てられた排出枠を基準として、実際の排出量が枠を超えてしまう場合は超過分を埋め合わせるため取引市場などから購入する。逆に枠に余裕のある企業はその余剰分を売却できる。取引市場はGX推進機構が設置する。
 排出枠は政府が業種特性などを考慮した指針に従い無償で割り当て、各企業は自ら排出量実績を集計し確認機関の承認を得たデータを報告する。枠を超えないよう義務づけられ、超過分を埋め合わせしない企業には追加の費用負担を求める。
 対象になるのは化石燃料の燃焼や製造過程で発生する直接排出量が年10万トン以上の企業。ここには電気の使用などの間接排出量は含まない。対象企業は、発電、鉄鋼、自動車などの300〜400社程度と見込まれ、国内排出量全体の6割ほどのカバー率になる。  GX推進法とともに改正された資源有効利用促進法では、再生材の利用を義務化する制度がつくられた。特定の製品に再生材の利用義務を課し、該当製品のメーカーなどに利用計画の提出や定期報告を求める。使用後の分別や解体が容易など優れた環境配慮を施した設計に対し認定制度をつくり、その事業者には金融支援などの優遇措置も設けている。

排出量取引制度資源循環の強化
◆直接排出量年10万トン以上の企業に参加を義務づけ
◆政府が各企業に無償で排出枠を割り当てる
◆排出量が枠を超える場合は市場などから調達。対応しないときは追加の費用負担
◆枠の範囲内に収まれば、余剰分の売却が可能
◆取引市場の設置・運営はGX推進機構が行う
◆再生材利用義務を課す製品を特定する
◆該当する製品のメーカーなどに利用計画の提出や定期報告を義務づけ
◆製品使用後の分別や解体が容易など優れた環境配慮の設計に対し認定制度を創設

※本記事は環境市場新聞82号(2面)記事を掲載しています。

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